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何歳からが高齢者? 筋肉がやせ衰える「筋萎縮」を防いで、健康長寿を目指す
若いつもりでいても、日々、身体は衰えていく[写真拡大]
6月21日に内閣府が公表した令和6年版高齢社会白書によると、日本の総人口は、令和5年10月1日現在で1億2435万人であり、その内の29.1%にあたる3623万人が65歳以上人口となっている。また、同白書では2070年には、2.6人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上になっていると推計しており、日本の高齢化は予断を許さない状況となっている。
一方で、医療の発展や健康寿命の延伸等から鑑みて、65歳以上を一律に「高齢者」とみる一昔前の基準は現状にはそぐわないのではないかという見方もある。日本老年学会・日本老年医学会でも、高齢者の新たな定義を75歳以上とすることが提案され、検討されているという。
確かに、現代の60代は健康で活き活きと暮らしている人も多く、老人扱いするのには違和感を抱くことも多い。若い頃に比べて体力的に衰えてしまうのは仕方がないとしても、精神的にも肉体的にも元気なのに、年齢を基準に社会から老人扱いされることに寂しさを感じている人は多いだろう。70代、80代の人も同様だ。
60代後半や70代に入っても、極力、介護される必要がないように健康を意識している人も増えている。厚生労働省などでも、健康な状態と要介護状態の中間の段階である「フレイル」の予防を呼び掛けている。フレイル予防は、運動で筋力づくりをすること、たんぱく質を十分にとるバランスの良い食事、口腔内の健康維持、そして就労や余暇活動、ボランティアなどに取り組むなどの社会参加で、外出と交流を心掛けることが4本柱といわれているが、さらに「こころの健康」や「認知症予防」にも意識を向けることも重要だ。
こういった予防は、なるべく早い内から始めて継続するのが効果的だ。食事や睡眠、適度な運動などに加え、サプリメントなどを活用するのも良いだろう。
例えば、予防医学の分野では今、「プロポリス」が注目されている。プロポリスは、みつばちが木の芽や樹液などから作り出す樹脂状混合物だ。天然の抗菌物質ともいわれるほどに健康成分が豊富で、老化や物忘れなどの予防、風邪や花粉症の症状軽減など、幅広い健康効果が期待されている。
日本では、株式会社山田養蜂場の研究機関である山田養蜂場 健康科学研究所がプロポリスの研究を積極的に行っているが、同研究所は今年5月に開催された第 78 回 日本栄養・食糧学会において、日本大学生物資源科学部バイオサイエンス学科の研究グループとの共同研究で、ブラジル産グリーンプロポリスが廃用性筋萎縮に伴う筋タンパク質の分解を抑制することで筋萎縮を防ぐ可能性を確認したことを発表し、大きな注目を集めている。
廃用性筋萎縮は、運動不足や入院などの不活動によって筋肉がやせ衰えるもので、全身の活動性に深刻な影響を及ぼす。高齢者が入院を機に寝たきり生活になってしまったりするのは、これも大きな原因の一つと考えられるケースが多い。ブラジル産プロポリスを予防的に継続飲用することで高齢者の要介護要因の一つである筋萎縮を防ぐ可能性が示されたことは、日本のみならず、高齢化の進む全世界の人々にとっても朗報だ。同社では今後、プロポリスの筋分解抑制作用にフォーカスし、関与成分の探索も視野に入れて、より詳細なメカニズムの解明を進める予定だという。
若いつもりでいても、日々、身体は衰えていく。高齢になっても、できるだけ介護に頼らず元気で暮らすために、早い内からの予防を心掛けたいものだ。(編集担当:藤原伊織)
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