RS Technologies 再生可能エネルギー事業バナジウムレドックスフロー電池の市場成長に関する調査

2024年7月8日 11:53

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記事提供元:フィスコ

*11:53JST RS Technologies---再生可能エネルギー事業バナジウムレドックスフロー電池の市場成長に関する調査
RS Technologies<3445>は5日、連結子会社LEシステム(本社:東京都品川区)が展開するバナジウムレドックスフロー電池の市場成長と同社の優位性について2024年7月時点での状況を発表した。

■グローバルにおける定置用蓄電池市場の成長について
2022年の定置用蓄電池(Energy Storage System、以下ESS)世界市場は、主要国において再生可能エネルギー及びESS導入に対する補助金や税制優遇などの政府の支援制度が強化されたことや、売電利益の改善などを要因として大幅な増加となった。2023年も各国政府のESSの導入に対する財政支援を追い風に、北米(主に米国)や欧州、中国で再エネ発電設備の設置増加に対応したESSの導入が増加した。2024年4月1日発表の矢野経済研究所「定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査(2024年)」では、定置用ESS世界市場は、2023年から2032年までのCAGR(年平均成長率)は18.0%となり、2032年の同世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで2023年の4倍以上の764,777MWhまで成長すると予測されている。カーボンニュートラルの実現に向け、ESS需要と導入は2024年以降も引き続き増加する見通しである。

■定置用蓄電池市場におけるレドックスフロー電池の立ち位置について
定置用ESSの中で一定割合のシェアを獲得していくと思われるのがレドックスフロー電池である。レドックスフロー電池は電解液(Redox)を循環(Flow)させて充放電を行う畜電池で、長時間の充放電が可能であること等から、風力発電や太陽光発電等、大規模・大容量のESSとしての活用が最適だと考えられている。 今後小型化・持ち運びが可能なリチウム電池とは、マーケットの住みわけが進んでいくと予想されている。 2024 年5月20日に矢野経済研究所から発表された「次世代電池世界市場に関する調査(2024年)」では、2035年のレドックスフロー電池の世界市場規模は4.4兆円を超えるとの予測がでている。 太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー普及に伴う電力系統用定置用蓄電池の需要増により、今後大型のレドックスフロー電池が大きな割合を占める見込みである。 同調査によると、米国、欧州を中心とした海外でも、長時間の充放電が可能なレドックスフロー電池導入のプロジェクトが急速に拡大しているとされており、世界的に需要が拡大していくことが予測されている。

■「バナジウム」レドックスフロー電池のメリットについて
ESS 及びレドックスフロー電池の需要拡大により、様々な研究が進んでいるが、現在のレドックスフロー電池の中で最も安定性が高く、多く商用化されているのがバナジウムを用いたバナジウムレドックスフロー電池である。 バナジウムレドックスフロー電池は、発火性・毒性がなく安全性が高いことや、6時間以上の充放電が可能であることから、風力発電や太陽光発電等、大規模・大容量のESSとして需要が高まっている。 バナジウムはレアメタルだが、金、プラチナ等よりも地球上に偏在しており、貴金属を使った電解液よりは低コストの材料である。また、イオン化傾向が大きく、4つの価数状態(V²⁺, V³⁺, VO²⁺, VO₂⁺)を持っていることから、電解液に最も適した物質として研究、実証が積み上げられており、現時点では最も安定供給、安定運用が可能な電解液材料であると言える。 また、劣化が無く長寿命(バナジウムレドックスフロー電解液は半永久的にリサイクルできる)であることから、長期的なコスト削減の観点からも注目されている。 LEシステムの調査によると近年、中国では政府の政策および開発支援策の下で、バナジウムレドックスフロー電池に関連するESSプロジェクトが相次いで発表されている。このような潮流の中で、バナジウム等のレドックスフロー電池及び電解液製造の中国企業の新参入も見受けられるが、LEシステムがこれまで蓄積してきた優位性は十分あると考えている。《SI》

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