関連記事
順調に収益を積み重ねているパラマウントベッドがいま、注力を宣言している2つの事業
パラマウントベッドホールディングス(東証プライム。以下、パラマウント)。医療用・介護用ベッドでシェア70%を誇っている。市場動向の読みの正確さ、長年に亘って培ってきた営業力がその背景にある。そのことは、収益動向に如実に反映されている。
【こちらも】パラマウントベッドが開発した「眠りスキャン」の意義
2021年3月期から前3月期の動向は、「5.8%増収16.9%営業増益/3.6%増収6.5%営業増益/9.6%増収9.6%営業増益」。「3円増配103円配」が21年4月の1:2分割で「55円配、実質7円増配110円配」「59円配(実質118円配)」と連続増配。
そして今3月期も「6.1%の増収(1050億円)、4.1%の営業増益(140億円)、6.3%の最終増益(98億円)」計画で立ちあがり、第2四半期の予想を全て上回って通過。第3四半期入りした2月7日、期初予想の62円配を65円配に増配修正した。
2030年の「あるべきパラマウントの姿」を見据えた第2中計(至27年3月期)でも、「売上高1200億円、営業利益170億円、営業利益率14.2%」と着実な伸びの積み重ねを掲げている。そしてパラマウントがいま積極的に訴求しているのが、「国内のリカーリング売上高の増加」であり「健康事業の拡大」。
前者は、介護事業での福祉用具のレンタル卸事業。医療事業での備品・設備などのパッケージレンタルや常駐サービス(備品の管理・修理業務、看護助手業務、コンシェルジェ業務)、介護・医療機関との間に太いパイプを有している強みを活かし、リカーリングの売上高比率を23年3月期の35.3%から27年3月期には45%に拡大すると明示している。
後者の主軸は「眠り事業」。「眠りSCANによるActive Sleep」の拡充。眠りSCANはパラマウント睡眠研究所が10年余を費やし、2009年に世に問うた。
担当者は「未だ道半ばだが」としながらも「非装着型のセンサでユーザーの睡眠状況を感知し、それぞれのタイミングでベストな角度に自動で変化するベッド。呼吸しやすく眠りに入りやすい角度から、自然に寝返りも出来るフラットな状態になり、朝眠りが浅くなったタイミングで上半身が少し持ち上がって心地よい目覚めを実現する」とする。
23年3月期には25億1700万円だったものを27年3月期には50億円に拡大目標としている。
パラマウントの本稿作成中の時価は2800円出入り水準、予想税引き後配当利回り1.86%。1月の2840円から2月の2457円まで押し目を入れて高値ゾーンに戻ってきた状況。IFIS目標平均株価3000円。押し目拾いで好配当利回り享受が適当と考える。2015年初値で拾い今日まで保有していると、調整済み株価パフォーマンス74%を勘案すると「押し目買い」が必須要件といえよう・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク