ALSOKはいま、介護業界の淘汰・再編でも存在感を示している!

2024年4月4日 17:35

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2023年4月に提供を開始した「HOME ALSOK Connect」(画像: ALSOKの発表資料より)

2023年4月に提供を開始した「HOME ALSOK Connect」(画像: ALSOKの発表資料より)[写真拡大]

 ALSOK(東証プライム)を会社四季報の特色欄は、『警備サービス2位。金融機関向けに強み。現金輸送はコンビニ等へ展開。介護事業にも力を入れる』とまとめている。

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 確かにセコムの警備拠点数約2600に対し、ALSOKは約2300(2023年3月初め)と第2位。ALSOK(設立1965年)のこれまでを振り返ると、確かに「ATMコーナー営業管理システム」「ATMの障害対応」「多機能ATMの運用」といった形で、金融機関のニーズに応えてきた。

 最近ではPCへのマルウェア(トロイの木馬に象徴される、悪意のソフトウエアや悪質なコード)攻撃を検知・自動復旧サービスを開始するなど、金融機関の強い味方の存在感を示している。

 また「開発研究型」という一面が確認できる。例えば警備ロボット。開発に20年以上前から取り組んできた。東京タワーなどに配置された「ガードマンとロボットを融合させた常駐警備システム」や「受付・警備機能をシステム」etc。

 ロボットには数台のカメラ・各種センサー・無線通信装置が搭載され、自動運行で巡回する。画像診断やセンサーの反応等で、不審者・侵入者・火災・漏水を発見し通報する(オプションで消火器が装備されていれば消火活動も可能)。

 ロボットには顔認証機能も搭載可能。美術館などの警備や、最近では施設での迷子や不審者探索にも活かされている。多言語対応のロボットも生まれている。ドローンの普及に合わせメガソーラの点検サービスにも活用されている。

 そしてALSOKの昨今の特徴は、M&Aの展開。ホーチキに出資/出資額拡大や日本ビル・メンテナンス買収(現、完全子会社化)、他企業の警備部門の事業譲受などで業容の拡大を図っている。

 スイッチオンで近場の拠点の警備員が駆け付ける「見守りサービス」から一歩踏み込んだ、親和性の高い介護事業自体への参入も興味深い。介護業界はいま淘汰・再編の流れが加速している。不可欠な時代の潮流と言える。

 ALSOKがALSOKケアを設立し介護事業に乗り出したのは2012年。そして14年に早くも「あんていけあ」「HCM」を子会社化したのを契機に、M&Aで体制の拡大を図っている。

 現時点で「デイサービス:24件」「訪問介護:66件」「訪問看護:5件」「介護付有料老人ホーム:47件」「グループホーム:85件」「サ高住:11件」を展開している。今2024年3月期第3四半期の決算書類には「新規施設開設・既存施設の入居率向上のほかM&A効果等により、前年同期比8.4%増収(381億2600万円)、営業利益100.2%増益(11億3100万円)」と記されている。

 介護施設再編でも、存在感の高まりが顕著になっている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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