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米ノースロップ・グラマン社、月面鉄道建設の研究に着手
NASAは、アルテミス計画で今から約2年半後に再び人類を月面に送り込むことを宣言しているが、アポロ計画よりもさらに未来を見据えた構想がそこにはある。
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具体的には、月面に長期滞在できるベースキャンプを建設。火星探査などより遠くの宇宙へ人類を送り込むことも含め、月を人類の宇宙進出への足掛かりとなる重要拠点とすべく、様々なインフラの整備を進めていく構想だ。
その中には、月面に鉄道網を整備していく構想もあり、米国国防高等研究計画局(DARPA)はその担い手として、ノースロップ・グラマン社を選定したと発表している。
そのノースロップ・グラマン社は19日、月面鉄道建設に関する研究に着手すると発表した。研究の目標として、月面の環境破壊を最小限に抑えながら、将来の月利用者に商用サービスを提供する統合月インフラストラクチャの分析フレームワークを確立することを掲げている。
具体的には、トータルコストの見積もり、技術的リスクや物流上のリスクのリストアップ、月面鉄道システムの構想設計、プロトタイプモデル製作や地上ラボでのシミュレーション実験などに今後10年間で取り組んでいく。
これらの実現のためには、建設、鉱業、交通、エネルギー、農業、宇宙探査、医療、ロボット工学、生命維持などの広範な分野にまたがるテクノロジーを駆使していく必要がある。
現時点で鉄道というコンセプトだけは具体的に決まってはいるが、月にあるエネルギー資源をできるだけ簡単かつ効率よく活用でき、環境汚染しない動力源を選定するなど、課題は山積みだ。他にも、メンテナンス要員を最小限とすべく、メンテナンスフリーもしくは故障の起きないシステムの設計なども必要となる。
これらの検討結果については、4月に月面イノベーションコンソーシアム(LSIC)の春季会合で発表され、6月に最終報告書を提出する予定という。今夏ごろには、月面鉄道がどんなものになるのか概要が明らかになるだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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