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回転寿司5位:元気寿司、今期既に2回の上方修正 「第2の創業期」と見栄を切る中計に覚える妙味
回転寿司業界で売上高第5位の元気寿司(東証スタンダード)だが、なかなか味わい深い存在でもある。
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創業は1968年。元禄産業(回転寿司:元禄寿司を展開)のFCとして栃木県に店を構えた。時あたかもモータリゼーションの進行期。業界に先立ち郊外型ロードサイド店舗に注力、業容を拡大していった。1990年に元気寿司に社名を変え脱FC。東日本に店舗網を拡充してはいったが、関西以西での知名度は低い。
ただその一方で、海外展開では異彩を放っている。ハワイ州に直営店を開設したほか、香港・中国・シンガポール・インドネシアなどにも「FC方式」で進出を果たしている。
また価格別に皿の色を変えたことでも業界に先行。主要店舗は「魚べい」。「回らない回転寿司」を実施。全ての商品をタッチパネルで注文、注文を受けてから握った寿司を高速レーンで届ける(ドリンクや“がり”の類は、従業員が持ってくる)。工夫を凝らしている!?
最もいかに工夫をしていても、収益がついてこないことには何の意味もない。2021年3月期は他社同様にコロナ禍に晒され「4億5200万円の営業損失、5円減配10円配」も、以降は回復基調。22年3月期は「16.6%増収、2億6300万円の営業利益計上、10円増配20円配」。23年3月期は「22.4%増収、554.8%営業増益、5円減配15円配」。
そして今24年3月期は「6.6%増収、16.5%営業減益、20円配」計画で立ち上がったが、サプライズを連発。中間期開示と同時に、そして今年1月30日に2回目の上方修正。現時点での通期予想は「11.3%増収(607億7000万円)、130.3%営業増益(40億円)、142.8%最終増益(24億6000万円)」。
見方を既存店売上高で捉えると「22年3月期:105.5/23年3月期:111.7/今期も上期:113.7&下期6カ月間109・86」としっかりした展開。
至2027年3月期の中計では「国内店舗は年間15-25店を出店、300店を視野に入れる」とし、以下次の様な計画「売上高819億7000万円(22年3月期446億円)、売上高営業利益率4.4%(0.6%)、海外店舗数325店(214店)」を掲げ「第2の創業期」と位置付けている。
本稿作成中の時価は3300円出入り水準。2度目のサプライズで1月末に4110円まで買われた後の調整場面。押し目買い姿勢で臨むのが賢明だろう。過去9年3カ月余りの調整済み株価ベースのパフォーマンスは約2.5倍。中長期構えで、株主総会で振舞われる寿司三昧を楽しむのもありか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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