公開価格下回り「小さく生まれた」ライフドリンクに、強気抱かせる収益動向と中計

2024年2月11日 17:04

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 2021年12月12日に上場。公開価格1535円に対し初値は1427円。「小さく生まれた」ライフドリンクカンパニー(東証スタンダード。以下、ライフドリンク)の、本稿作成中の時価は5000円台終盤。予想税引き後配当利回り0.4%強水準。仮に上場初値で買っていると、4.2倍弱のパフォーマンスを残している。

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 ライフドリンクは「水・緑茶・ウーロン茶・炭酸水」を製造・販売している。少品種大量生産が特徴。並行し茶葉などのリーフも手掛けている。

 収益は絶好調。上場直後の2022年3月期は「11.67%増収、62.4%営業増益、26円配実施」。23年3月期は「19.14%増収、38.43%営業増益、2円増配28円配」。そして今3月期も「16.36%の増収、20.35%の営業増益、2円増配30円配」計画で立ち上がり、第2四半期開示と同時に「22.3%の増収(370億円)、47.6%の営業増益(46億円)、7円増配35円配」へ上方修正。

 販路はイオンなど広範囲なスーパーや一般小売店。OEMの提供先も20社余に及ぶ。今期計画の売上高営業利益率10%強やROE(前期25.5%、今期予想26.7%)に見て取れるように、儲け上手。その背景は、以下に集約される。

★前記の通り少品種大量生産に商品価格の安さ。

★HPを覗くと分かるが、ペットボトルの形は同一。生産コストの低下。

 この収益状況は、今後も維持されるのか。「24年3月期予想は既に23年3月期に達成したため」とし、3月30日時点で至26年3月期の新規中計を発信している。

 「栃木工場の新倉庫立ち上げなど物流拠点の見直し。工場の省人化やペットボトルの軽量化など生産性への注力。御殿場工場の立ち上げ準備開始。ニットービバレッジの子会社化を踏まえ」として、「売上高420億円(22年3月期比65.4%増)、営業利益50億円(2.22倍)、純益33億円(42.2%増)」を掲げている。

 昨年以降の株価動向を追うと、昨年来安値は2月9日の2170円。しばらくは緩やかながらも右肩上がり。今年1月9日の5130円まで買われ揉み合い場面。上方修正を機に長期右肩上がり。2月6日に5990円に。信用取引の取組は44.36倍の買い長。

 IFIS目標平均株価4567円を勘案すると、「新中計を背もたれに、押し目買い姿勢に徹しながらも前向きに取り組のが賢明策・・・」と思えるが如何か。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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