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SBIとサウジアラムコが提携を検討、その狙いは?
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●SBIとサウジアラムコが業務提携
SBIホールディングスは7日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと業務提携に向けた検討に、基本合意したと発表した。
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両者はデジタル領域での共同投資の実施、日本のスタートアップ企業のサウジアラビア進出などを後押しするとしている。両国での半導体投資への計画もあるという。
異なる分野である両者の提携だが、どんな相乗効果が期待できるのか?
●一致する両者の思惑
今回の提携の目玉は、デジタル分野と半導体であると言える。
デジタル部門と言っても、暗号通貨の分野よりもトークン化に力を入れると見られている。サウジアラムコは既にブロックチェーン技術への投資を活発化させており、SBIもデジタルアセット部門を運営する子会社を持っている。
日本のデジタル資産スタートアップ企業の進出が期待される。
半導体の分野でも、SBIは台湾の半導体ファウンドリー大手PSMCと共同で宮城県に半導体工場を建設する。サウジアラムコも横河電機と提携し、サウジアラビアでの現地製造を視野に初期契約を締結している。
両者はそれぞれの国で、新たな半導体工場の設立を視野に入れている。
●期待される相乗効果
サウジアラムコは本業である原油の方で苦しんでいる。2023年7‐9月期の純利益は、前年同期比で326億ドル(約5兆円)の減益となり、原油価格の下落により打撃を受けている。
サウジアラビアは当面減産を続ける方針だと見られており、今後も石油需要の回復はあてにできない。
SBIは新生銀行や地銀を買収するなど、第四のメガバンク構想という大きな野望がある。
SBIは、11月には米サークル社と提携し、マイナビとも資本業務提携した。いずれもWeb3を意識した提携と見られている。
サウジアラムコもSBIも、今のままでは頭打ちになるという危機感は共有しているのだろう。サウジアラムコなら原油、SBIは従来型の金融事業に限界を感じている。
ただ半導体はまだまだ需要不足という予測もあれば、米国の利上げ、中国の景気先行きなどの不安要素もある。デジタル資産についてもまだまだ不透明な部分が多い。
両者がうまくいくかどうかは、外部環境次第になりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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