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サブリース方式で成長階段を昇った日本駐車場開発、過去10年間の株価は2.4倍
日本駐車場開発(東証プライム)。ビルや商業施設などの、転貸型月極駐車場開発を運営。傘下企業でスキー場やテーマパークも手掛けている。
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ビジネスモデルは、こう理解すればよい。
ビル内にある附設駐車場を、ビルオーナーから一括し賃借。様々な形でユーザーとリース契約を結ぶ。
都心部の一定規模以上の建築物には、駐車場の設置が義務付けられている。しかしオーナー側からすれば「常時満室」で初めて価値があるが、空室が多くては「不必要」な代物となりかねない。その一方で、都心部に駐車場がなくて困っている人・企業がある。オーナーからサブリース方式で一括賃貸し、マッチングを図ろうというもの。
現社長の巽一久氏が1991年に起業。大学卒業後に稼業だった大阪府寝屋川市の駐車場の管理と取り組んだのが、入り口だった。常に、満室状態。日々しっかりと清掃を心掛けていたのが、大きな要因とされる。
常に満室を目の当たりにした近隣で駐車場を営むオーナーから、管理の依頼が増えていった。日本駐車場開発は、巽氏の自宅の一室をオフィスに創業された。94年に東京に進出、駐車場のサブリース事業を編み出し?今日の成功を生み出した。
日本駐車場開発のビジネスが時代に即していることは、収益動向に顕著。2021年7月期から前23年7月期は平均で、「増収率11.33%、営業増益率99.2%、最終増益率44.3%」。そして今7月期も「3.6%の増収(330億円)、12.9%の営業増益(70億円)、8.9%の最終増益(48億円、過去最高益更新)」計画。
また詳細は前7月期の決算資料で確認してもらうとして、「スキー場事業」や「テーマパーク事業」の着実な伸長も「ビジネスモデル」に求められる。
★スキー場事業: スキー場は5月中旬から11月中旬がグリーンシーズン(閑散期)となる。スキー場の収益回復には、この閑散期にどう対応するかが鍵。日本駐車場開発が手掛ける施策はこの時期に、スキー場の保有資産と周囲の観光資源の活用。「レンタルショップ」「紅葉シーズンのイベント」「天空の天体ショーを楽しむゴンドラリフトの夜間運航」などを運営している。
★テーマパーク事業: 目下の主力は、傘下に収めた藤和那須リゾートが運営する「那須ハイランドパーク」「TOWAピュアコテージ(宿泊施設)」「那須ハイランド(総合別荘地)」の展開。
株価は好収益を素直に映し出している。昨秋以降右肩上がりに転じた。1月に308円をつけ本稿作成時の時価は205円水準、予想税引き後配当利回り2.14%。過去10年間の修正値ベースの株価パフォーマンスは2.4倍強。目先の好配当享受もさることながら、中長期の資産株づくりの魅力も覚えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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