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【QAあり】ルネサンス、2Qはスポーツクラブ事業が順調に推移し増収増益 東急スポーツオアシスの業績や為替差益も寄与
【QAあり】ルネサンス、2Qはスポーツクラブ事業が順調に推移し増収増益 東急スポーツオアシスの業績や為替差益も寄与[写真拡大]
アスリートの活躍・支援
岡本利治氏(以下、岡本):みなさま、おはようございます。社長の岡本です。本日はお忙しい中、株式会社ルネサンスの決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。これより2024年3月期第2四半期決算についてご説明します。
説明に先立ち、7月に開催された「世界戦水泳選手権2023福岡大会」において、池江璃花子選手と当社所属の江沢陸選手が日本代表選手として出場しました。また、当社スイミングコーチが日本代表コーチとして帯同したことをご報告します。
併せて、10月に開催された「第65回 日本選手権水泳競技大会」にて、当社社員の山本茉由佳選手が50メートル自由形で優勝し、50メートルバタフライでも3位に入賞しました。今後もアスリートの支援に取り組んでいきますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします。
目次
それでは、目次に沿ってご説明します。
連結/個別 損益計算書
まず、第2四半期の業績ハイライトです。当第2四半期連結累計期間においては、スポーツクラブ事業が順調に推移し、各種コストについても想定以下に抑えられたことから、連結売上高は前年同期比6.4パーセント増の211億5,500万円となりました。
連結営業利益は2億8,100万円、連結経常利益は2億1,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億5,000万円となりました。個別についてはスライドのとおりです。
第2四半期業績予想と実績値との差異
8月10日に公表した修正業績予想との差異についてはスライドのとおりです。売上高は概ね計画どおりの水準で推移しましたが、営業利益については光熱費等のコストが計画を下回ったことで、前回予想を上回りました。
経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益については、東急スポーツオアシスの業績が当初想定を上回ったことと、為替差益等の影響により、いずれも業績予想を上回る結果となりました。
連結 営業利益 増減要因(前期比)
営業利益の前年同期からの増減要因です。7月よりフィットネス会員の価格を800円、8月より成人スクールの会員価格を800円、それぞれ値上げしたことによる会費売上が増加しています。また、スポーツクラブの新規入会者数が順調に推移し、在籍者数が前年を上回りました。加えて、スポーツクラブ新店2施設を開設したことなどにより、売上高は大幅に増加しました。
コスト増の要因は、4月より社員給与水準を平均5パーセント引き上げたことと、スポーツクラブ新店4施設の開業コスト2億4,800万円を計上したことです。
また、全社的な省エネ対策や、国の電気・ガス価格激変緩和対策事業等により、水光熱費を抑制できたことから、営業利益は前年同期と比べ1億8,500万円の増益となりました。
連結 部門別売上高
部門別売上高についてご説明します。スポーツクラブについては、フィットネス部門、スクール部門ともに売上高が伸長し、ショップ、その他収入計もスライドのとおり増収となりました。
業務受託は一部受託施設の売上減により減収となりましたが、その他の部門の売上はスライドのとおり増収となっています。なお、その他売上高には連結子会社である株式会社BEACH TOWNの売上が含まれています。
結果として、売上高合計は前年同期比6.4パーセント増の211億5,500万円となりました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表については、新規出店に伴うリース資産・リース債務の増加等により、固定資産と固定負債が増加したことから、資産合計及び負債純資産合計は、前期末比1.5パーセント増の429億2,700万円となりました。
連結キャッシュフロー・計算書
キャッシュ・フローについては、スポーツクラブ事業の利益改善が進んだことにより、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスとなり、現金及び現金同等物の期末残高が増加しました。
また、新店の出店や既存店のリニューアルに伴い、有形固定資産を取得したことから、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっています。
部門別会員数
スポーツクラブの事業概況をご説明します。こちらの表は、スポーツクラブ事業の部門別会員数です。フィットネス部門については、筋力トレーニングや総合スポーツクラブならではのスタジオプログラム、サウナ、お風呂などの訴求が奏功しました。
また、猛暑によるプールの需要、施設のリニューアルや利用方法を入会プロモーションでお客さまに訴求したことが好評をいただいた結果、新規入会者数が順調に推移し、前年同期比5パーセント増の18万5,477名となりました。
スクール部門については、スイミングスクールが在籍者数を伸ばした反面、テニススクール、その他スクールの在籍者数が微減となりました。しかし、スクール部門合計では前年同期比0.6パーセント増の15万9,821名となりました。また、オンライン会員についても順調に増加しています。
結果として、会員数合計は前年同期比8.3パーセント増の39万918名となりました。
入会者数推移
こちらのグラフは、スポーツクラブの入会者数推移を、全体、フィットネス会員、スクール会員別に表したものです。2023年度は、7月にフィットネス会員の価格改定、8月に成人スクール会員の価格改定を実施しましたが、新規入会者数はご覧のように概ね順調に推移し、総入会者数は前年同期実績を上回ることができました。
既存クラブの動向
既存クラブの動向です。先ほどご説明したとおり、新規入会者数が順調に推移したことと、7月、8月に会費改定を実施したことにより、売上高は前年比4.2パーセント増となりました。9月末会員数は、6月に1施設を閉店しましたが、前年比1.4パーセント増となりました。
会員単価は前年から180円増となっています。退会率は1施設の閉店と会費改定の影響が多少ありましたが、想定内に収まっています。
会員年齢構成
スポーツクラブ会員の年齢構成です。フィットネス会員は50歳代以上が過半数を占めていますが、新規入会者は20代、30代がボリュームゾーンとなっており、在籍の割合も若年層が微増となっています。スクール会員についてはスライドのとおりです。
スポーツクラブ事業
第2四半期の主な取り組みをご紹介します。スポーツクラブ事業における2024年3月期第2四半期の総合型スポーツクラブの新規出店として、7月に2施設を開設しました。
スライドの写真は、宮城県仙台市若林区卸町に開設した「スポーツクラブ ルネサンス 仙台卸町24」です。仙台市では5施設目となります。こちらは「イオンスタイル仙台卸町」と仙台市営地下鉄東西線卸町駅に近接した好立地にあり、ジム、スタジオ、プール、テニスコート、温浴施設を備えた地域最大級の施設となっています。
仙台エリアの新たなドミナント拠点として、既存施設と連携し、仙台地区の健康作りに貢献していきます。
スポーツクラブ事業
もう1施設は、大阪市東成区に開設した「スポーツクラブ&スパ ルネサンス 今里24」です。こちらは、過去に他社が大人のみを対象に運営していた、ジム、スタジオ、プール、お風呂などを備えた施設でした。その施設を、当社の施設開発およびメンテナンスのノウハウを活かしてリノベーションしたものです。今回、24時間営業のトレーニングジムと、成人・ジュニアのスイミングスクールを活かし、新たなスポーツクラブとして生まれ変わりました。
今回のケースは今後の出店モデルの1つとして展開していきます。この2施設ともに、地域の新たな健康拠点として多くのお客さまにご利用いただいています。
スポーツクラブ事業
また、スポーツクラブ事業の新たなサービスとして、子ども向けフィットネススクール「KIDS FIT」の導入を開始しました。このスクールは、子どもの運動離れという社会課題の解決や自己肯定感を育む取り組みとして、運動を通じて幼少期から健康的な生活習慣を身につけ、同時に心も育むことができるフィットネススクールです。2023年度は全国約30店舗に導入を予定しています。
介護及び介護・医療周辺事業
介護及び介護・医療周辺事業では、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」の新施設として、8月に東京都練馬区にフランチャイズ施設「元氣ジム武蔵関」を開設しました。こちらは、フランチャイジーである有限会社夢幻による2施設目の店舗です。今後もフランチャイジーの増店のサポートを含め、店舗数拡大を図っていきます。
介護及び介護・医療周辺事業
また、当社は大阪国際がんセンター敷地内にて、2019年6月より、がん特化型の運動施設「ルネサンス運動支援センター」を運営しています。そこでの知見をもとに、がんの医療内容をよく理解し、がん患者のニーズに応じることができる運動指導者を社会に輩出することを目的に、大阪国際がんセンターにおいて、がん専門運動指導士の養成・資格認定事業に取り組んでいます。
現在150名以上が資格を取得し、全国各地のスポーツクラブや個人のトレーニングジム、スタジオ、また当社のオンラインレッスン等で活躍しています。
早期に当社の全クラブ、施設にがん専門運動指導士を配置していく予定です。今後も日本人の多くが経験するがん等の疾病に罹患されている方への運動を通じたQOL向上のサポートに取り組んでいきます。
企業・健康保険組合向け健康づくり事業
企業・健康保険組合に向けた事業では、オンラインレッスン配信サービス「RENAISSANCE Online Livestream」を活用し、企業の顧客や従業員に向けた健康づくり支援を拡大してきました。
このサービスは2020年のコロナ禍において、スポーツクラブが利用できない期間でもスポーツクラブ会員へサービス提供を継続すべく開発したものです。
現在では24時間、週720本のレッスンを配信しており、スポーツクラブ会員はもとより、企業・健康保険組合の従業員、保険者のみなさま、そして連携している自治体にお住まいの地域のみなさまにも、幅広くご利用いただいています。
健康づくりのプログラム、オリジナルコンテンツの開発・制作
また、健康経営に取り組む企業に向けた、運動と健康づくりのノウハウを活かしたオリジナルプログラムの提供や、コンテンツの制作、提供も実施しています。
取り組み事例として、当社が展開する「転倒災害予防プログラム」は、職場における労働災害防止のニーズから、昨年度の受託件数が増加しており、今年度も継続して展開しています。
さらに、株式会社スクウェア・エニックスが開発・運営するオンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV」の新生10周年を記念したオリジナル体操動画の制作に協力しました。これはゲームの合間に体を動かし、健康づくりのきっかけを作りたいという株式会社スクウェア・エニックスからのご相談にお応えしたものです。
このように企業のニーズに合わせた健康づくり支援を行っています。
地域・自治体向け健康づくり事業
地域・自治体向け健康づくり事業では、当期も引き続き地域住民および地域内企業などの社会課題解決に向けた自治体との連携を拡大しています。7月には、愛知県大府市と株式会社トヨタシステムズとの3者間で、大府市の健康増進施策「大府市働く世代の睡眠改善実証事業」の覚書を締結しました。
また、9月には神奈川県座間市と「健康増進等に関する包括連携協定」を締結しました。10月にオープンした「スポーツクラブ ルネサンス・イオンモール座間24」を健康づくりの拠点として、座間市と連携し各種取り組みを推進していきます。
地域・自治体向け健康づくり事業
小中学校の水泳授業における、施設の維持管理や教員の授業に対する準備の負担、天候不順への対応といった課題への対応として、当期も全国25自治体、50校を対象に、当社施設および小学校のプールを使用した水泳授業や教員への研修を行うなど、取り組みを強化してきました。今後も積極的に展開していきます。
株式会社東急スポーツオアシスとの取り組み
当期より当社が株式の40パーセントを取得し、持分法適用関連会社となった東急スポーツオアシスについては、4月より当社から3名が経営に参画し、同社とのパートナーシップをもとにマネジメント体制の構築やサービスの付加価値向上に努め、業績の改善が進んでいます。
人的資本経営の取り組み
当社ではすべてのステークホルダーの生きがい創造を実現する上で、従業員が起点であることが重要であると考えています。当年度は健康経営、人材開発をはじめとする人材への投資の強化に取り組むほか、昨今の物価上昇を考慮し、従業員の給与水準の引き上げを実施しました。
新規出店・退店実績
出店と退店の実績についてご説明します。当期はスポーツクラブ2施設のほか、介護リハビリ施設を1施設、運営受託を34施設、アウトドアフィットネス施設を3施設新たに開設しました。また、契約満了により表記の施設を退店しました。
施設数(2023年9月末時点)
この結果、当期末の屋内施設数の合計は、連結子会社BEACH TOWNの施設を含め、227施設となりました。海外のベトナムの2施設を合わせると、グループ合計では229施設となります。
事業間のシナジー創出
下期の取り組みをご説明します。介護医療周辺事業において、11月に訪問看護ステーションの「ルネサンス リハビリステーション富士見台」を開設しました。この施設は「スポーツクラブ ルネサンス 富士見台24」の敷地内に開設したもので、当社で初めてスポーツクラブ内に開設した訪問看護ステーションです。
これにより、スポーツクラブと訪問看護ステーションが一体となって運動と介護ケアの両面から地域の健康をサポートします。
また、近隣エリアではすでにリハビリ特化型デイサービスの「元氣ジム」を5施設展開しており、本施設の開設により、地域内の連携をさらに密にしていきます。
株式会社BEACH TOWNの取り組み
連結子会社の株式会社BEACH TOWNにおいては、10月に京王線聖蹟桜ヶ丘駅徒歩5分の多摩川河川敷に隣接する「サクテラスモール」の中に、会員制アウトドアフィットネスクラブ「RIVER PARK 聖蹟桜ヶ丘」を京王電鉄株式会社の事業パートナーとして開設しました。
この施設はヨガスタジオやボルダリングなどのインドアプログラムに加え、リバーSUPやリバーヨガなど、多摩川の自然資源を活用したプログラムが楽しめる会員制アウトドアフィットネスプランです。今後もBEACH TOWNの企画力を活かし、地域の魅力向上に取り組んでいきます。
第3四半期以降の新規出店・運営受託施設
総合型スポーツクラブの新店として、10月に熊本県菊池郡菊陽町の「スポーツクラブ ルネサンス 熊本光の森24」と、神奈川県座間市の「スポーツクラブ ルネサンス・イオンモール座間24」を開設しました。その他、第3四半期以降の新規出店予定は表記のとおりです。
M&A及び事業・施設継承による拠点数の拡大
2023年8月10日に公表のとおり、東急不動産株式会社との協議の結果、両者の今後の事業展開に有効と考え、東急不動産株式会社が保有する株式会社東急スポーツオアシスの全株式を2024年3月末に当社が譲り受けることを決定しました。
M&A及び事業・施設継承による拠点数の拡大
東急スポーツオアシスは企業理念において目指す方向性が当社と近く、またフィットネス業界においては、トップレベルのホームフィットネスおよび豊富なデジタルコンテンツと商品開発力など、当社と補完関係にある事業を有しています。今後両社の連携や協業を密にし、さらなる事業成長を目指していきます。
M&A及び事業・施設継承による拠点数の拡大
また、2023年10月2日に公表のとおり、菱紙株式会社より、「KSC wellness フィットネスクラブ金町・金町スイミングクラブ」の事業を当期末に譲り受けることを決定しました。
「KSC wellness」は1972年に金町スイミングクラブとして開業し、2010年にフィットネスクラブ機能を付加して新築した大型のスポーツクラブです。
本件により、50年の長きにわたり地域に根ざした事業活動に取り組み、地域コミュニティのシンボルであった「KSC wellness」が、今後も健康ソリューションの拠点として発展し続けることを目指していきます。
2024年3月期 通期連結業績・配当予想
2024年3月期の通期連結業績予想と配当予想についてご説明します。通期の連結業績予想については、11月10日に発表のとおり、第2四半期連結累計期間の実績値を反映し、営業利益を上方修正しました。
一方、当期末に予定している株式会社東急スポーツオアシスの株式追加取得に伴う影響や為替の影響を踏まえ、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益については、前回発表の予想値を据え置いています。
なお、配当については前回予想どおり8円を予定しています。
長期ビジョン
最後に、中長期の方向性についてご説明します。当社は2022年より「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンとして掲げ、事業に取り組んでいます。
当社が考える主な社会課題と成長機会
中長期的な見通しを考える上では、あらためて我が国の現在および将来の社会変化の中で見られる健康にかかわる社会課題に対し、その解決に貢献することが当社の役割、使命であり、そこに成長につながる機会があると考えています。
当社の事業領域とそれぞれの連携による事業成長
社会課題を解決する健康のソリューションカンパニーの実現に向け、これまでスポーツクラブの事業運営を通じて得たさまざまなノウハウを周辺市場と連携することで、事業領域の拡大を図ってきました。今後もコア事業であるスポーツクラブ事業領域の付加価値向上および事業拡大に取り組んでいきます。
また、ヘルスケア関連領域については、すでに取り組んでいる事業に積極的にリソース配分を行い成長させるとともに、そのノウハウをスポーツクラブ事業と融合させることで新たな価値創造に努めていきます。さらに、新たなビジネスについても積極的に挑戦していきます。
M&Aの推進
当社は1991年以降、18件のM&A及び事業継承を通じて事業規模を拡大してきました。今後もM&Aについては、事業成長における重要な戦略と位置付けています。引き続き、従業員を含め双方の強みを引き出すことにつながる友好的なM&Aを積極的に推進していきます。
中長期成長の実現に向けて
当社が健康のソリューションカンパニーとして取り組む、スポーツクラブ事業、介護・医療周辺事業、企業・健康保険組合向け事業、そして地域・自治体向け事業、これらの事業を連携することにより、2027年度に過去最高益の達成を目指します。
さらに、創業50周年を迎える2029年までにWell-Beingな社会の実現に貢献できる企業になっていきたいと思います。
健康のソリューション拠点の拡大
なお、2024年度には、新たに東急スポーツオアシスと「KSC wellness フィットネスクラブ金町・金町スイミングクラブ」が当社グループに加わります。これによって、売上高はフィットネス業界最大規模の、日本を代表する健康のソリューションカンパニーとなる見込みです。
健康のソリューションカンパニーの実現に向けて
このようなM&A等の取り組みを踏まえ、2027年度の目標値を、売上高は750億円、営業利益は55億円としました。また、来年5月に予定している通期決算発表の際には、ルネサンス長期ビジョンおよび中期経営計画の発表を予定しています。
岡本氏からのご挨拶
以上ご説明したとおり、当社は中長期的にも持続可能な成長を実現し、健康ビジネスにおけるリーディングカンパニーを目指し、「生きがい創造企業」として社会に貢献できるよう取り組んでいきます。みなさまにおかれましても、引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願いします。本日はありがとうございました。
質疑応答:来期以降M&Aを推進していく領域や規模について
司会者:「中長期の方向性にM&Aの推進とありますが、来期以降はどのようにM&Aを進めていくイメージですか? 東急スポーツオアシスを除いたM&Aの領域、規模感を教えてください」というご質問です。
安澤嘉丞氏:M&Aの規模については、相手があることなので、なかなか具体的にはお伝えできません。ただ、先ほどの決算説明にもあったとおり、M&Aや事業継承は当社の成長戦略にとって最重要だと考えています。そのため、来年度以降も複数箇所の実現に向けて、アドバンテッジアドバイザーズ社ともプロジェクトを組み、現在推進しています。
重点領域としては、ジム・スタジオ・プールを備えた総合スポーツクラブの領域のほか、当社が展開する「元氣ジム」との親和性が高い介護領域を考えています。
質疑応答:安価なフィットネスジムの出店に伴う影響と今後の対応について
司会者:「昨今は『chocoZAP(チョコザップ)』など、利用料の安いジムが次々と出店しています。御社としては、どのように対応していく方針でしょうか? また、御社が新しいジムを出店する計画はありますか?」というご質問です。
岡本:おっしゃるとおり、「chocoZAP」の出店の加速はすごいと思っています。低価格で24時間いつでも手軽にトレーニングができるというビジネスモデルは、フィットネスの参加者の底上げに貢献されていると思います。
ただ、各店に設置されているトレーニングマシンのラインナップや24時間無人化のシステム、安価な価格帯を見ると、当社が対象としている顧客層とは少し異なるため、十分に差別化ができると考えています。
当社は、お客さまに求められている総合スポーツクラブの価値をいかに高めていくかに注力していく方針のため、今は「chocoZAP」と同様の安価で小型な無人のジムを出店することは考えていません。
質疑応答:東急スポーツオアシスの業績好調による成果と今後の目標について
司会者:「東急スポーツオアシスの業績が良かったということですが、同社とのシナジーによって、具体的にはどのような成果が出ているのでしょうか? また、今後の目標などがあれば教えてください」というご質問です。
岡本:東急スポーツオアシスとの連携を始めてから日が浅く、今はまだ大きな成果は出ていません。しかしながら、当初より想定していました、東急スポーツオアシスの強みであるホームフィットネス、いわゆるEC事業やデジタルコンテンツの活用については、来年以降の展開に向けて今、準備しているところです。
また、東急スポーツオアシスのスポーツクラブについては、当社の強みでもあるスイミングスクールの強化を今期よりスタートしています。次年度以降、このあたりが業績に大きく貢献していくのではないかと思っています。
また、4月以降の子会社化に向けては、管理部門をはじめ、今さまざまなプロジェクトを走らせているところです。来期には完全子会社化してシナジーを創出し、当社と同様に、可能な限り早い時期にスポーツクラブ事業を回復させていきたいと考えています。
質疑応答:光熱費の当初計画と第2四半期実績の差異について
司会者:「第2四半期の光熱費が当初の想定よりも抑えられたということですが、どのくらい差があったのでしょうか? 計画値の何パーセント程度に収まったのかを教えてください」というご質問です。
岡本:上期のクラブ施設での光熱費は、前年度に立てた当初計画の段階では3パーセントほど価格が上がるのではないかと予想していました。しかしながら、省エネ対策に加え、国が実施した電気・ガス価格激変緩和対策事業による補助の効果もあり、当初計画の86パーセント程度に収まっています。その結果、既存の施設においては、前年の90パーセント程度で推移しました。
質疑応答:中長期の目標達成に向けて想定しているヘルスケア事業領域の伸長イメージについて
司会者:「中長期の方向性について質問です。今期の業績予想では売上高が440億円で、これを2027年度までに約300億円ほど伸ばす計画だとうかがいました。これを実現するためには、ヘルスケア事業領域において、どの事業をどのくらいまで伸ばす想定でしょうか? 事業ごとのイメージがあれば教えてください」というご質問です。
望月美佐緒氏:大きく伸ばす事業の1つは、介護リハビリ事業です。「元氣ジム」については現在、より効率的に運営が行えるモデルを構築しており、このモデルをベースに直営店の出店を加速していきます。
さらに指定管理を含む自治体との連携や受託事業、そして先ほどのご説明にもあったように、オンラインビジネスも非常に伸びてきています。これらの事業には大きな可能性があると感じているため、しっかりと取り組み、確実に事業を伸ばしていきたいと考えています。
質疑応答:スクールにおける会員数減少の背景と今後の見通しについて
司会者:「テニスやその他のスクールにおける会員数減少の背景と、今後の考え方について教えてください」というご質問です。
岡本:テニスは成人とジュニアに分かれていますが、今回はジュニア部門の伸びが少ない状況でした。また、その他のスクールも同様に、お子さまの入会がやや弱かったです。
テニススクールのジュニア部門に関しては現在、事業全体の見直しを行っています。スイミングスクールに比べると、選手コースまで段階的にレベルアップしていくような仕組みがまだ構築できていないため、そのあたりをしっかりと強化しながら、テニススクールのジュニア部門の活性化を進めたいと考えています。
質疑応答:インフレによる入退会者数への影響と上期に退会率が上昇した背景・今後の見通しについて
司会者:「インフレによる実質所得の低下は、入会者数や退会者数に影響しますか? また、退会率がやや上昇した背景や対策、今後の見通しなどを教えてください」というご質問です。
岡本:上期においては、世の中で物価上昇の動きが見られました。決算説明でもお話ししたように、当社では値上げも行いましたが、今のところ入会者数は好調に推移しています。
また、退会者が若干出たことについては、一昨年に値上げした時も同様に一時期、利用が少ない方を中心とした退会が見られました。しかしながら、これは一過性のものだと捉えています。実際に、値上げ後のこの数ヶ月は退会も落ち着いている状況です。
質疑応答:入会者の年齢と退会率・クロスセル率の相関関係について
司会者:「入会者の年齢による退会率、クロスセル率の傾向はありますか? 例えば、高齢者は退会率が低く、クロスセル率が高いなどの傾向があれば教えてください」というご質問です。
岡本:やはり高齢者の方のほうが継続率が高い傾向がありますが、この傾向は今に始まったことではありません。20代、30代の若い方の退会率は、高齢者の方に比べて高く、これは従前からの課題になっています。したがって、当社としては若い方に継続してもらえるようなサービスを新たに追加していくことを常に考えなければならないと思っています。
質疑応答:下期以降の各施策の業績貢献度の期待値や見通しについて
司会者:「本日お話があった主なトピックスや下期の取り組みとして紹介された施策について、下期または来期以降の業績貢献度の期待値や利益金額などのイメージがあれば教えてください」というご質問です。
岡本:特に力を入れているのは、スポーツクラブの回復はもちろん、本日ご説明した自治体向けの事業や介護医療領域の事業です。これらすべて、これからに期待できる事業となっています。
具体的な計画については、今、ポートフォリオの見直しを行いながら、来年度に注力していくところを定めています。今後、長期ビジョンや中期経営計画を発表する時に具体的に示す予定のため、しばらく時間をいただければと思います。
質疑応答:新規出店したスポーツクラブの集客や業績の状況について
司会者:「スポーツクラブの新規出店について、昨年度以前に出された店舗の集客や業績の状況を教えてください。当初計画どおりの手応えはありますか?」というご質問です。
岡本:2022年度に開設した「ルネサンス 海老名ビナガーデンズ24」横浜の「ルネサンス 蒔田24」「ルネサンス・イオンタウンふじみ野24」においては、今年度は計画をキャッチアップした状況で推移しています。
7月に開業した「ルネサンス 仙台卸町24」「ルネサンス 今里24」では、開業月は計画に若干届いていなかったものの、来年度以降は、これらの新店が業績に寄与するものと考えています。
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