家賃保証のイントラスト、8期連続増配計画&株主優待でQUOカード提供

2023年9月2日 08:53

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 イントラスト(東証プライム)。建物の管理会社向け家賃保証が主軸。医療・介護費保証を第2の柱に育成中。2024年3月期を最終年度とする中計をステップ期と位置づけ「売上高80億円(21年3月期比89%増収)、営業利益20億円(74%増益)」を掲げ、「ジャンプ期至27年3月期の売上高100億円」を標榜している。

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 そうした順調な先行き動向予想を裏付けるように、足元の収益も好調。6期連続「増収・営業増益」「7期連続増配」。前23年3月期の「31.3%増収、37.4%営業増益、28.9%最終増益、2円増配14円配」に続き、今3月期(家賃保証会社:プレミアライフを傘下に入れ、連結化)も、「30.95%増収(85億円)、29.1%%営業増益(21億円)、27.4%最終増益(12億8000万円)計画、2円増配14円配」計画で立ちあがった。

 前期を「家賃債務保証契約の増加に伴い貸し倒れ費用が想定以上に推移したが、業務委託費用が想定より抑えられた」と総括している。「家賃債務保証契約の増加が、マイナス要因を十二分に補ったという次第だ」とした。

 確かに前期の決算説明会では、「家賃保証件数が前年同期比3.1%増の41万4024件」。そして積極姿勢を見せている医療費保証・介護費保証でも、前者が11件/後者が5件増の16件増加と着実な歩みが進んでいることを示している。

 イントラストの業務では、オーダーメイド型の家賃保証が特徴とされる。地域性や管理戸数、管理会社の意向などが加味されるからだ。

 また審査難易度では「やや高め」とされる。その要因は、独立系保証会社という点にある。クレジットカードの滞納歴・自己破産履歴や過去の家賃滞納歴etcが審査に当たりチェックされる。

 だが独自の審査能力では「信販系」「LICC(全国賃貸保証協会)系」「LGO(賃貸保証機構)系」に比べ劣る。補う観点から契約内容により信販系会社と提携し、信用情報を高める策を執っている。それが「審査がやや厳しめ」という評価になっている。

 そんなイントラストの株主対応への評価は高い。減少傾向にあると指摘される「株主優待策」の実施などに顕著。連続増配(本稿作成中の時価に対する予想税引き後配当利回り1.2%)に加え、単元株株主には500円分のQUOカード(300株で1000円分)が提供されている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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