関連記事
日常会話に頻出! イギリス英語のスラング特集(8)
今回も、イギリスで非常にポピュラーなスラングをいくつか紹介したい。教科書等では見かけないかもしれないが、いずれも一般の人が日常的に用いるスラングだ。
【こちらも】イギリス以外での使用は注意!? イギリス英語のスラング特集 (6)
■Full of beans
「full of beans」は、「元気いっぱいで活動的なこと」、または、「熱心なこと」を表すスラングだ。「豆いっぱい」と直訳すると理解しづらいが、ここでの「beans(豆)」とは元気の象徴である。
この表現は、もともと14世紀のヨーロッパで生まれたという説がある。当時、馬には飼料用に特別に育てられた豆が与えられていた。その豆を食べた馬が元気いっぱいになることから、馬の持ち主たちがその様子を「full of beans(豆でいっぱい)」と表現し始めたという説だ。
それとは別に、カフェインが含まれているコーヒー豆が関係しているという説もある。いずれにせよ、「beans」を元気や活力の象徴と見ているわけである。
・My kids are always full of beans when they wake up in the morning.
(子供たちは朝目が覚めるといつも元気いっぱいです)
・Despite his age, my grandpa is still full of beans.
(老齢にもかかわらず、祖父はまだ元気いっぱいだ)
■Gaff
「gaff」は、イギリス英語で「家」を指す最も一般的な表現だ。イギリス以外ではあまり使われていないが、イギリス国内ではほとんどの人が使っているか、もしくは、使わないまでも容易に理解できる。
「gaff」の起源ははっきりしていないが、アイルランドに由来すると考える人が多い。アイルランドからイギリスに渡り、スコットランド、ウェールズ、イングランドへと広まっていったようだ。
最初の使用例は18世紀なかばのもので、下層階級の人たちが娯楽を求めて訪れる安価な劇場やホールを指していた。劇場やホールは社交の場であり、多くの人が集まる場所であったため、最初はより具体的な意味で使われていた「gaff」が、いつしか「家」全般を意味するようになったと考えられる。
・We’ve got a party at our gaff, if you fancy it?
(うちでパーティーやるんだけど、気が向いたらどう?)
・Let’s go back to the gaff, I’m knackered.
(うちへ帰ろう、もうくたくただよ)
■Geezer
「geezer」とは、「man(男)」のスラングだ。もともとのニュアンス的には、ビシッとスーツを身にまとい、靴もピカピカに磨き上げたお洒落な男性を指す。さまざまな地域で使用されるが、コックニーを話すイーストロンドンの人たちがこのスラングのおもな担い手である。
「geezer」には、若干軽蔑的なニュアンスとして「老人」という意味もあった。今もその意味で使われることがあるが、だいたいにおいて男性一般を指すと思ってよいだろう。アメリカでの「dude」と同じような感じだ。なお、イギリス英語には同義語として「bloke」という表現もある。
・You can always spot a geezer by the way he dresses.
(彼の服装でいつも洒落た男性だとわかる)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
スポンサードリンク