日常会話に頻出! イギリス英語のスラング特集(8)

2023年8月13日 07:51

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 今回も、イギリスで非常にポピュラーなスラングをいくつか紹介したい。教科書等では見かけないかもしれないが、いずれも一般の人が日常的に用いるスラングだ。

【こちらも】イギリス以外での使用は注意!? イギリス英語のスラング特集 (6)

■Full of beans

 「full of beans」は、「元気いっぱいで活動的なこと」、または、「熱心なこと」を表すスラングだ。「豆いっぱい」と直訳すると理解しづらいが、ここでの「beans(豆)」とは元気の象徴である。

 この表現は、もともと14世紀のヨーロッパで生まれたという説がある。当時、馬には飼料用に特別に育てられた豆が与えられていた。その豆を食べた馬が元気いっぱいになることから、馬の持ち主たちがその様子を「full of beans(豆でいっぱい)」と表現し始めたという説だ。

 それとは別に、カフェインが含まれているコーヒー豆が関係しているという説もある。いずれにせよ、「beans」を元気や活力の象徴と見ているわけである。

 ・My kids are always full of beans when they wake up in the morning.
 (子供たちは朝目が覚めるといつも元気いっぱいです)

 ・Despite his age, my grandpa is still full of beans.
 (老齢にもかかわらず、祖父はまだ元気いっぱいだ)

■Gaff

 「gaff」は、イギリス英語で「家」を指す最も一般的な表現だ。イギリス以外ではあまり使われていないが、イギリス国内ではほとんどの人が使っているか、もしくは、使わないまでも容易に理解できる。

 「gaff」の起源ははっきりしていないが、アイルランドに由来すると考える人が多い。アイルランドからイギリスに渡り、スコットランド、ウェールズ、イングランドへと広まっていったようだ。

 最初の使用例は18世紀なかばのもので、下層階級の人たちが娯楽を求めて訪れる安価な劇場やホールを指していた。劇場やホールは社交の場であり、多くの人が集まる場所であったため、最初はより具体的な意味で使われていた「gaff」が、いつしか「家」全般を意味するようになったと考えられる。

 ・We’ve got a party at our gaff, if you fancy it?
 (うちでパーティーやるんだけど、気が向いたらどう?)

 ・Let’s go back to the gaff, I’m knackered.
 (うちへ帰ろう、もうくたくただよ)

■Geezer

 「geezer」とは、「man(男)」のスラングだ。もともとのニュアンス的には、ビシッとスーツを身にまとい、靴もピカピカに磨き上げたお洒落な男性を指す。さまざまな地域で使用されるが、コックニーを話すイーストロンドンの人たちがこのスラングのおもな担い手である。

 「geezer」には、若干軽蔑的なニュアンスとして「老人」という意味もあった。今もその意味で使われることがあるが、だいたいにおいて男性一般を指すと思ってよいだろう。アメリカでの「dude」と同じような感じだ。なお、イギリス英語には同義語として「bloke」という表現もある。

 ・You can always spot a geezer by the way he dresses.
 (彼の服装でいつも洒落た男性だとわかる)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

続きは: イギリス人なら誰もが知っている! イギリス英語特有のスラング特集 (9)

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