イギリス以外での使用は注意!? イギリス英語のスラング特集 (6)

2023年7月26日 08:16

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 今回もイギリス英語のスラング特集であるが、紹介するのはどちらも非常にイギリス的なスラングである。使用には注意が必要なものもあるが、わりとよく見聞きする表現なので知っておく価値はあるだろう。

【こちらも】イギリスの文化に触れる! イギリス英語・スラング特集 (5)

■Faff

 「faff」は「時間を無駄に過ごす」という意味で用いられる動詞である。より正確なニュアンスを伝えるなら、「目的を達成することなく、無駄な時間やエネルギーを使う」。または、「不必要に小さな詳細にこだわる」のような内容を意味するスラングだ。

 たとえば、「Stop faffing about and get to work!」なら、「無駄なことに時間を使うのをやめて仕事を始めてください」という意味になる。

 「faff」の語源について、はっきりしたことは分かっていないが、19世紀の農村地方で使われていた方言に由来するという説がある。「ぶらぶらする」「ダラダラ過ごす」といった意味の「faffle」が語源という説である。

 なお、「faff」や「faff about」という言い方は広く知られているものの、若い世代にはあまり使われていないようだ。親しい友人や家族とのカジュアルな会話で使われるかもしれないが、少なくとも最新のストリートスラングではない。とはいえ、さまざまなメディアで見聞きすることの多いスラングなので、知っておいて損はないだろう。

 ・I spent the whole day faffing around and got nothing done.
 (1日中くだらないことに時間を費やして、何も達成できなかった)

 ・He's always faffing about with his phone when he should be working.
 (彼は働くべきときにいつも携帯電話をいじってばかりで、時間を無駄にしている)

■Fag

 イギリス英語では、「fag」は「cigarette」を意味するスラングである。もともと「fag end」という布地のリール(巻き取り軸)の端っこにある、品質の低い部分を指す言葉があり、それが転じて安価で質の低いタバコを指すようになった。だが、いまでは値段や質にかかわらずタバコ全般を指すスラングとして一般的だ。

 ・Could I scrounge a fag off you, please?"
 ・Can I bum a fag off you, mate?

 上の例文は、どちらも「タバコ1本くれない?」というごくフランクな言い方の例である。

 なお、「fag」というスラングは、イギリスとその関連国で「タバコ」を指す言葉として広く知られているが、アメリカでの使用には注意が必要だ。というより、使用しない方がよい。というのも、アメリカ英語で「fag」は、同性愛者に対する非常に侮蔑的な言葉だからだ。

 外国人が進んで使う必要はない言葉だが、イギリスで「fag」という言葉を見聞きしたときに「タバコ」のことだと分かっておけば、余計な誤解が生まれる心配はないだろう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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