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NASAの小惑星プシュケ探査、準備は最終段階に 地球コアの謎解明も
小惑星プシュケのイメージスケッチ (c) NASA/JPL-CALTECH/ASU[写真拡大]
プシュケは火星と木星の公転軌道間の小惑星帯を周回する、最大径約279kmを持つM型の中では最大の小惑星だ。M型小惑星は、主にニッケルや鉄などの金属で構成される原始小惑星の金属核と考えられており、プシュケの鉱物としての資産価値を計算すると実に14垓円(すなわち14兆円の1億倍)にも上る。
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プシュケは、原始小惑星として誕生後、いずれかのタイミングで他惑星との衝突などの原因で表層を剥ぎ取られ、現在の姿になったと考えられている。もしも、そのような事件に巻き込まれていなければ、地球型惑星になっていたかもしれない存在なのだ。
プシュケ探査によって、硬い岩盤層に阻まれて直接調査研究が不可能な地球のコア構造を推測可能になり、地球型惑星がどのようなメカニズムで誕生したのかという謎の解明にもつながる。
NASAはこの小惑星プシュケの探査を目的とした探査機サイケを、2023年10月5日に打ち上げ予定だ。打ち上げまで100日を切った現在、打ち上げ最終準備段階に入り、24時間体制で対処しているという。
ミッションは約30人体制で取り組まれており、既に科学機器と宇宙船のハードウェアおよびソフトウェアの数週間にわたる機能テストを終了。7月後半には巨大な太陽電池アレイの導入を統合してテストする予定だ。その後、8月中旬に1,085kgの推進剤 (中性ガス:キセノン) を数週間かけてゆっくりと宇宙船に積み込み始め、10月5日の打ち上げに備える。
探査機サイケはソーラーパワー推進で、地球から約40億km(太陽までの距離の約27倍)にも及ぶはるか彼方を周回するプシュケを目指す。途中火星でのフライバイを経て、2027年にプシュケ周回軌道に到達後、約26カ月間周回軌道にとどまり、21カ月間にわたる探査が計画されている。
またこのミッションでは、電波でなく光による深宇宙光通信DSOCのトライも計画されており、これが成功すれば電波による通信よりも多くの情報量の伝達が可能になるという。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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