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旭化成ファーマ、「スギサポwalk」活用で約4万人が骨検査を受診
骨検とスギサポwalkの連携イメージ(画像:旭化成の発表資料より)[写真拡大]
旭化成ファーマは6日、歩数記録アプリ「スギサポwalk」で骨粗鬆症の疾患啓発を行い、約4万人に骨密度検査受診の行動変容が見られたと明らかにした。
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スギサポwalkは、ヘルステック企業のメドピアとスギ薬局の子会社であるMediplatが提供。期間限定でアンケート調査やウォークラリーを開催しており、今回のプロジェクトでは、約53万人がアンケートに回答。ウォークラリーには約42万人が参加し、約34万人がゴールしたという。
骨粗鬆症は、骨の量が減り弱くなる病気で、転倒などのはずみで骨折を招く。40歳以上で発症リスクが高まるが、発症しても自覚しづらいことから骨折するまで気づかないケースが多い。
少々古い資料となるが、日本骨粗鬆症学会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」によると、推定有病患者は1,280万人以上。高齢化が進む中でさらに増加傾向にあるが、自治体が行っている検診の受診率は、地域差があるものの全体では数%に留まるという。
旭化成ファーマは、そうした骨粗鬆症の早期発見・治療につなげる骨密度検査の啓発活動を展開。2020年12月より「骨検」というプロジェクトを開始し、イベント開催や、検査を受けられる近隣の医療機関の情報提供、電話相談などを行っている。今回のスギサポwalkの活用もその1つとなる。
スギサポwalkは、アプリを起動して歩くことで、バーチャルウォークラリーに参加でき、毎日の歩数や消費カロリーなどが自動で可視化されるアプリ。歩いた歩数や、数問程度のアンケート回答に応じてマイルが貯まり、スギ薬局のポイントに交換して景品など受け取れる仕組みだ。有料会員になると、管理栄養士や医師、薬剤師への相談サービスも受けられる。
2019年2月にリリースして以来、登録者数を伸ばしており、アプリのダウンロード数は250万超。製薬会社などと連携して、イベントやクイズなどの切り口で消費者向けのプロモーションも展開している。
最近ではアストラゼネカが22年5月に、慢性閉塞性肺疾患の受診行動変容検証のためスギサポwalkを活用。同年9月には、中外製薬が視神経脊髄炎スペクトラム障害の疾患啓発活動に採用している。旭化成ファーマの取り組みも、そうした流れを受けたものと推察される。
旭化成ファーマの啓発活動は23年1~3月まで、3段階で実施した。骨粗鬆症の症状アンケート配信の後、ウォークラリーを開催。さらに、アンケートの回答から潜在患者と想定される31万7,943人に向け、行動変容調査を行った(段差などで転びやすい/身長が縮んだ/背中や腰に痛みがある/体形はやせ型などに1つ以上該当する人)。その結果、3万9,708人が「骨密度検査を受けた」と回答。骨粗鬆症に対する行動変容が確認できたという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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