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半導体業界の裏方:タツモの過去10年間の株価パフォーマンス15倍には目を惹かれる
タツモ(東証プライム市場)。半導体装置が主軸。液晶用塗布装置でも高シェア。M&Aを駆使し洗浄装置やプリント版装置の強化も図っている。
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タツモを半導体装置メーカーとして一目置かれる存在に押し上げたのは、1983年のこと。6インチウエハー対応の半導体装置「TR6000」シリーズの開発・製造・販売。
半導体市場の立ち直りを受け、順調な収益動向を改めて示している。「回復期入り」は2020年12月期。「7.1%増収、98.2%営業増益、7円復元増配16円配」。そして21年12月期「12.7%増収、10.9%営業増益」。22年12月期「10.7%増収、34.1%営業増益、5円増配21円配」と着実な歩みを経て今12月期は「29.0%の増収(314億2300万円)、11.1%の営業増益(31億1800万円)」計画。
順調な回復・歩みは、2月13日の中計の時期変更にも見て取れる。22年12月期~24年12月期から23年12月期~25年12月期に変更した目標数値は、「売上高406億円(23年12月期比29.2%増収)、経常利益50億円(61.9%増益)」。その理由をタツモでは、「当社が属する半導体業界の、目まぐるしい環境変化」と断じている。
環境変化の実態は、前期決算にも読み取れる。
★半導体装置部門: パワー半導体向け半導体装置の需要伸長により、売上高:前年比30.3%増。
★搬送装置部門: 顧客の半導体装置メーカーからの受注好調で、29.1%増収(71億3600万円)。
洗浄装置部門:23.2%減収/コーター(薬品塗布装置)部門⇔フラットパネルディスプレイ関連の設備投資鈍化で12.9%減収を鑑みると、「プロセス機器事業」の主力である半導体装置メーカー向けの好調で「9.5%増収、32.3%営業増益」が実現したことが目を惹く。
タツモでは今後の見通しについて、「電気自動車向けや家電製品・電気器具に安定した電源を供給するインバータなどの需要拡大に伴い、パワー半導体メーカーの積極的な設備投資が継続されると予想している」との強気姿勢を示している。
タツタの本稿作成中の時価は2500円台前半。1月4日の1501円から6月13日の2667円まで買われた後の調整場面。IFIS目標平均株価は2850円。押し目買い待ちが賢明だが、タツモの過去10年間の株価動向を修正値ベースで振り返るとパフォーマンスは15倍強。「産業のコメ/半導体」関連のヒッソリ?株として、注目に値しよう!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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