トヨタ、新型アルファード・ヴェルファイアを発表 開発ポイントは!?

2023年6月24日 17:07

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アルファード Executive Lounge(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

アルファード Executive Lounge(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

  • アルファード Z(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • アルファード G サイドリフトアップチルトシート装着車(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • ヴェルファイア Executive Lounge(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • センターピラーロングアシストグリップ(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • ヴェルファイア Executive Lounge インテリア(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • 脱着式リヤマルチオペレーションパネル(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • シート操作スイッチ(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • スーパーロングオーバーヘッドコンソール(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

 トヨタ自動車は21日、8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「アルファード」および「ヴェルファイア」を発表した。アルファードのグレードはZとExecutive Loungeで、価格は540万円から。これに加えウェルキャブ(福祉車両)があり、こちらは472万円から。ヴェルファイアはZ Premier、Executive Loungeで、価格は655万円から(価格はいずれも消費税込)。

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 開発コンセプトは、「快適な移動の幸せ」を極めることとしており、今回の記事では、開発コンセプトを実現するために開発陣が力を入れた装備などにフォーカスしていく。

■デザイン

 デザインコンセプトは、「並みいる高級車を圧倒する 堂々スタイル&パッケージ」。全幅は1,850mmと先代と比べても変わっておらず、その代わりに凸凹maxを実現。サイドシルエットは先代よりも大胆かつしっかりと抑揚をつけることに注力した。その結果、44mmと先代比較しても+20mmも抑揚をつけることに成功している。

 乗降性の改善としては、スライドドアの開口幅を40mm増加して820mmとした。さらにセンターピラーロングアシストグリップは、135mm長い620mmとなった。老若男女問わず乗り降りが楽にこなせるように、ユニバーサルステップを左右にも採用している。

 エクステリアデザインのキーワードは、重厚感および次世代の高級感である。ラフデザインは闘牛のように突進する姿とされており、フロントフェイスの進化は初代から引き継がれている。初代は横にワイドに伸びており、2代目と3代目は縦に大きくなっている。今回の新型はワイドかつ縦方向の大きさをアピールする形となった。

 インテリアに関しては、フロント席は、オーナーを包み込むようなコックピットをイメージしたクルーザータイプに。後席は、スーパーロングオーバーヘッドコンソールから配色構成をスッキリさせたおもてなし空間を作ることで、プライベートジェットをイメージ。それぞれの席にふさわしい体験価値を提供するとしている。

 工夫した点として、脱着式リヤマルチオペレーションパネルを設置することで、後席機能をスマートフォンのように操作できる。空調や照明の制御もその1つだ。

 パワーシートはアームレスト内側にシート形状をイメージした操作スイッチを置くことで、直感的な操作を可能としている。

 先代はオーバーヘッドコンソールにLEDイルミネーションを配置し、大きな印象を与えてきたが、今回は2列目から3列目にまたがるスーパーロングオーバーヘッドコンソールを配置してきた。そこにはLEDドームランプ、先にも挙げたルーフカラーイルミネーション読書灯、おもてなし集中スイッチ、天井収納ボックスを配置している。こちらを設置することで圧迫感を出さず、使いやすいデザインを実現した。

 世界初の技術としては、エグゼクティブラウンジシートにギヤ駆動方式と電磁クラッチ機構を用いたパワーロングスライド機構を採用。これまではナットが台形ねじに沿って動いていたため、スライド速度が遅くかつ手動で動かせない構造となっていた。今回の機構は高速かつ、電磁クラッチで電動と手動を切り替えて操作できるようになっている。

■乗り心地

 筆者はヴェルファイアにも乗っていた経験があるが、確かに後席はなかなか揺れていた。特にロードノイズに対してはかなり敏感だったことを覚えている。新型では振動を従来型の3分の1におさえる取り組みを行っており、高級セダンに匹敵する後席乗心地を実現させたという。

 プラットフォームはTNGAのGA-Kを使い、それらに対して剛性を50%向上させている。また路面からの入力周波数に応じて減衰力を機械的に可変させることができる、周波数感応型ショックアブソーバーを採用した。

 ロードノイズ対策としてはこれら以外にも、専用タイヤを新規開発し、ボディシールを各所に貼り付けることで音の侵入を防いでいる。なお風切り音はドアミラーの位置を最適化することやフロントピラー形状を最適化し、空気が流れやすい設計にしている。

 もちろんシートの構造によっても振動は伝わる。硬ければ硬いほど、ショックは大きく着席しているひとにとってはダメージになってしまう。その構造を改善するため、シートレールとシートクッションフレームの間に防振ゴムを設定。20Hz以上の微振動を吸収できる低反発ウレタンをシートパッド表層に採用している。また臀部への衝撃対策として、座圧分散性の高いウレタンも採用した。

 月販基準台数は8500台とし、内訳はアルファードが約70%、ヴェルファイアは約30%としている。(記事:キーパー・記事一覧を見る

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