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東京海上、コネクテッドカー向けにサイバー攻撃対策の保険提供
東京海上日動火災保険は5月31日、自動車業界向けの「コネクテッドカーサイバー保険」の提供を開始すると発表した。保険はコネクテッドカーのセキュリティ対応能力強化に取り組むJapan Automotive ISAC(J-Auto-ISAC)と共同で開発。同団体の会員を対象に団体保険制度を創設し、6月から提供を開始する。背景には、コネクテッドカーの市場拡大とサイバーセキュリティ対策の強化がある。
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インターネットとの常時接続機能を有し、新たな付加価値提供が可能なコネクテッドカーの市場規模は、近年拡大している。市場調査会社の富士経済が2021年に行った調査では、世界のコネクテッドカー新車販売台数(乗用車・商用車)は、35年には20年比で2.9倍の9,480万台に達する見込みという。1,300万台ほどだった14年比では約7倍。コロナ禍や半導体不足の影響を受けつつも年々増加傾向にある。
拡大に伴い、コネクテッドカーのサイバーリスクへの対応も強化されつつある。20年6月に開催された国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)では、「サイバーセキュリティに関する協定規則」を制定。それを受け日本でも22年7月より改正・道路運送車両の保安基準を施行。インターネット接続機能がある自動車は、自動運転装置のある自動車同様のセキュリティ基準を満たすことが必要になった。
そうした社会動向を受け、東京海上はコネクテッドカーサイバー保険の共同開発に至ったという。この保険は、サプライヤが納入した車載製品の脆弱性が原因で、コネクテッドカーがサイバー攻撃を受けた際などに、対応に要した費用を補償する。
主な補償費用は、発生原因・被害の調査費用や、弁護士など専門家への相談・社告費用、損害賠償金など。保険金額など詳しい内容は明らかにされていないが、建付けは従来のサイバー保険ベースと推察される。
共同開発を行ったJ-Auto-ISACは21年2月に創設。単独企業では質量ともに負担が大きい、自動車のサイバーセキュリティに関わる情報を共有・分析し、対策強化を図ることを目指している。
前身は日本自動車工業会内のワーキンググループで、17年1月から活動を開始。その後、一般社団法人として独立した。創設時は、トヨタ自動車や日産自動車、本田技研工業など自動車メーカー14社とデンソーやパナソニックなど部品メーカー7社が参画。現在の会員数は100社を超えている。
コネクテッドカーサイバー保険は、一定のセキュリティレベルをクリアしたJ-Auto-ISACの会員企業が対象となる。東京海上は今後、同保険を通じて得られたノウハウを活用し、コネクテッドカーを含めたモビリティサービスのサイバーセキュリティ支援を行っていくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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