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配当性向50%メド:ノーリツの強さの礎は「顧客基盤」と「付加価値製品力」
ノーリツ(東証プライム市場)。ガス・石油給湯器で、国内シェア4割を有する大手。配当性向50%目途を掲げている。現に今12月期予想を含む3期間の平均配当性向は、56.8%弱。そんな前向きな配当政策を反映し、本稿作成中の時価:1840円台水準の、予想税引き後配当利回り2.77%余。
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1951年に能率風呂A型を開発し、能率風呂工業とし設立されたのが原点。
2020年及び21年12月期はコロナ禍の影響に晒された。が興味を惹かれたのは22年12月期以降の急回復ぶり。「18.4%増収、175.5%営業増益、98.7%経常増益、12.4%最終減益」、そして今12月期も「10.9%の増収(2340億円)、16.1%の営業増益(80億円)、8.9%の経常増益(86億円:海外売上高比率33%)、22.9%の最終増益(59億円)」計画。
かつ既に開示済みの第1四半期は、「売上高:前年同期比24.9%増(543億400万円)、営業利益18億1700万円(前年同期7億2400万円損失)、経常利益18億円(2億9800万円損失)、純益12億7000万円(3億9600万円赤字)」。期初の中間期予想「1100億円、27億円、29億円、20億5000万円」と比すと、上方修正の4文字が浮かんでくる。至今期末の中計に対しても「売上高1920億円(20年12月比4.5%増)、営業利益80億円(70%増)」といった具合だ。
ここまで急回復・強気を打ち出せる理由は何なのか。
前期決算資料を読み込んでみた。
【国内事業】: 受注残の早期解消を図るため、調達条件の変更や代替部品確保を展開した。メーカー希望小売価格の改定を実施。並行し今後を見通す上で必須な高付加価値商品の拡販に努めた。
ベースにある顧客基盤を礎に顧客満足にあらゆる手を尽くしながら、高付加価値商品を提供し続けていると捉えることができた。具体的にはHP(決算説明書)等で確認して欲しいが、例えば「ガス&電気のハイブリッド給湯器・暖房システム」。6割超の燃費削減が可能で、モニター付加などを開発している。
いまや「スマートハウス」の時代。伴い言わば「スマート風呂」も求められる。<外出先から帰宅時間に合わせて、スマホからお湯はりや追い炊き操作ができる><浴室暖房乾燥機ならジーンズの乾燥時間が半分(3時間半)に>etcが容易な「スマート化」が整備されている。
本稿作成時点のPBRは0.71倍。純資産は前期末で34億6300万円増(1196億5600万円)と着実増だが「どう捉えているか」と問い合わせた。実名で担当者から「東証への開示方法・タイミングを現在検討中。ただ今年度を最終年度とする中計“Vプラン23”の達成を最優先に考えている。PBR改善への対応策は然るべき時期に開示するので待って欲しい」とする答えが返ってきた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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