ペットにかける年間費用、犬は36万円 猫は16万円 外出費が増加傾向に

2023年3月9日 08:52

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1年間にかかる費用の内訳(画像: アニコム損害保険の発表資料より)

1年間にかかる費用の内訳(画像: アニコム損害保険の発表資料より)[写真拡大]

  • 「ペットのほうが美容院の費用が大きい」項目(画像: アニコム損害保険の発表資料より)

 ペット保険のアニコム損害保険は3日、2022年の1年間にペットにかけた年間支出に関するアンケート結果を発表した。アンケートは、同社のペット保険に加入している2,388人を対象に行われた。

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 調査では、飼っているペットの種類ごとにわけアンケート結果をとりまとめ、さらに前年度の調査分との比較も公表している。犬と猫のそれぞれにかかった年間費用は、犬が約36万円、猫が約16万円。前年からは犬が3.4%増と増加した一方、猫は5.0%減と減少した。

 年間費用の内訳として、犬と猫を共通して最も多いのが「ケガや病気の治療費」「フード・おやつ」だった。それぞれの年間費用を合わせたものの占める割合は、犬で約40%、猫で約50%にものぼる。

 これらの出費は人間に置き換えると医療費や食費にかかる部分だが、ペットも共に暮らす家族として欠かせない出費であるため、これらの出費に関してある程度は許容範囲と認識する人も少なくないだろう。

 2022年調査において特徴的なのは、ペットにかかる光熱費だ。犬では前年から55.9%増、猫では22.5%増と大幅に増えている。猛暑の影響や、ガス代・電気代など光熱費の値上げが影響しているのものとみられる。これらもやはり、人間同様にペット業界でも大きな影響があることがわかる。

 また、猫では「ペットホテル・ペットシッター」が前年比2.5%増と増加。新型コロナ感染症対策が進み、これまで在宅勤務だった飼い主が仕事で家を留守にする機会が増えたことや、行動制限の緩和により旅行の機会が増えたたためという回答があった。一方、犬は飼い主と共に外出する機会も増えたようで、ドッグランなど遊べる施設への出費と、交通費がいずれも前年から約30%増と大幅に増えた。

 飼い主自身よりもペットにかける費用が大きいものとして、「美容院(理容院)」が最多という結果だったことも興味深い。飼い主自身は2~3カ月に1度のペースで美容院(理容院)を利用するのに対し、トリミングが必要な犬種では毎月トリミングに通うという回答も寄せられている。

 また医療費も、ペットの方が費用がかかっていると答えた飼い主は35%ほどだった。いずれも、ペットは家族の一員として大事にされていることがうかがえる回答内容である。

 今回の調査結果にもあるように、電気代やガス代の高騰の影響は大きい。在宅勤務から従来の勤務体勢に戻りつつある中、飼い主は留守でペットだけを自宅に残しておくのは心配である。人間と違って空調管理や体温調整はペットができるわけではないため、飼い主の工夫が求められる。

 ペットを家族としている人は今後の出費も見据えて、たとえば家計収支項目としてペット費を計上し、毎年比較するなど管理をしてみることをおすすめしたい。そのうえで、年間のうちいつ出費が増えるのか等を、翌年以降の参考にできる。ペットも家族である以上、安心してペットにも長生きしてもらえるように資金面も含めた環境つくりが大事ではないだろうか。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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