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アルファベット株、苦境続きで急落
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●アルファベット株が急落
8日の米株式市場で、検索大手グーグルの親会社であるアルファベットの株価が一時約9%急落した。
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チャットボット(自動応答ソフト)「Bard(バード)」が実演説明で不正確な回答を示したことが原因であると、ロイター通信などが報じている。
GAFAの一角であるグーグルも、他のハイテク企業同様にコロナバブルの揺り戻しに苦しんでいる。さらに、米国の利上げも足かせとなっている。
●Bardにかかる期待
人工知能(AI)分野の競争は激化している。Bardは少ない計算能力で、広範囲なサービスを提供できるという期待が大きかった。
マイクロソフト社もAIを搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」の新バージョンを公開している。
今回のBardの失敗は、“検索のグーグル”なだけに、チャットボットでの失敗への失望は大きかった。
グーグルがマイクロソフトとの競争に後れを取るのではという懸念から急落。逆に、マイクロソフト株は微増だった。
●他にもマイナス材料が
アルファベットは2日に発表した第4四半期の決算で、売上も利益も共に予想を下回っていた。
米国のリセッションは鮮明であり、検索サイトやYouTubeのデジタル広告事業の不振が響いた。
7日のFRBパウエル議長のディスインフレ発言で上昇したが、その後のウォラー理事が金融引き締めは長期化するとの発言も下落に拍車をかけた可能性もある。
アルファベットは1月20日、全従業員の6%にあたる1万2000人を削減することも明らかにしており、明るい見通しがなかなか見えてこない。
アルファベット株は、Bardの実演説明が行われるという報道があった時には上昇した。今回は失敗に終わったが、まだまだBardやAI事業に対するアルファベットへの期待感は根強い。
だが米国の利上げ問題や、景気の悪化などの外部環境要因が改善されない限りは、再び浮上することは厳しいかもしれない。
他のGAFA株と同様に、コロナ相場のような栄華を極めることは当面の間見込めないという前提で、投資をした方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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