2023年は仮想通貨復活の年か?

2023年1月18日 08:26

印刷

●2023年に入り仮想通貨が上昇

 ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が、2023年に入り上昇している。

【こちらも】仮想通貨をめぐる2022年の規制動向

 年末年始は1BTC=220万円前後だったが、年初から1月14日くらいまで上昇し続け、約20%(1月17日15時現在)上昇している。

 ビットコインだけでなく、イーサリアムやドージコインなどの暗号通貨も同じように上昇を続けている。

 2022年は米国の利上げやFTXの破たんなどネガティブなニュースが多く、下落する局面が多かったが、2023年は仮想通貨復活となるのだろうか?

●なぜ上昇?

 上昇の要因の1つは、米国のインフレに落ち着くが見え始め、金融引き締めの終わりが見え始めてきたことだ。

 12日に発表された12月のCPI(消費者物価指数)は、伸びが鈍化したことが明白なったことで株価にも仮想通貨にも安心感が広がった。

 FRB高官は2023年も利上げが必要であること、目標とするインフレ率2%には程遠いなどと釘を刺しているが、安心感が根強くあるようだ。

 FRBのパウエル議長は政策金利に言及せず、市場との対話もソフトランディング(軟着陸)を意識していると思われる。

 仮想通貨は、ボラティリティの大きさがリスクである一方魅力でもある。米国投資銀行やAIの予想でも、2025年くらいまでの中長期には、5万ドル~10万ドルになるとの見方があり、期待感も大きい。

●期待もあるが、新たな火種も

 インフレの鈍化傾向がさらに顕著となり、利上げのピークアウトも意識され、もし金融緩和ということになれば、さらなる上昇へとなることも考えられる。

 だが逆にインフレ解消の道筋が見えず、政策金利の上限が上がり、利上げの終了が後ろにずれることとなれば、再び仮想通貨が売られることも十分考えられる。

 FTX破たんの余波で、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)傘下のジェネシスが経営危機に陥っているというロイター通信の報道もあり、親会社のDCGの破たん懸念もあり得る。破たんとなれば、マクロ環境が良くても、FTXに次ぐDCGショックが再び起こりかねない。

 2023年の仮想通貨は期待感を持ちつつも、リスクへの警戒を常に怠らずに投資すべきかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事