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「if」を使った英語の仮定法「Second Conditional」の使い方
前回、英語の条件文として「Zero Conditional」と「First Conditional」の違いを説明した。今回は「Second Conditional」だ。日本語では「仮定法過去」と呼ばれることもあるが、過去かどうかなどにこだわる必要はない。もっとシンプルに理解しよう。
【こちらも】「if」を使った英語の条件文「もしも~なら」の使い方
■Second Conditionalの構造
まずは、Second Conditionalの構造を確認しよう。
Zero Conditionalの場合、「if」以下は現在形の文章であり、結果を示す節も同様に現在形の文章となる。First Conditionalの場合、「if」以下は同じく現在形の文章だが、結果を示す節は「will」を使った未来形となることは前回見たとおりだ。
それに対して、Second Conditionalでは、「if」以下が過去形の文章となる。そして結果を示す節は、助動詞「would」を用いた形になる。「will」の過去形の「would」を用いるため、日本語では「仮定法過去」と呼ばれるのだが、過去の話をしているわけではない。
■Second Conditionalの意味すること
Second Conditionalを使った例文を以下に示す。
・If I had a lot of money, I would buy a car.
・If we didn’t have children, we would travel more.
最初の文章は「もしたくさんお金があったら、車を買うだろう」、次の文章は、「もし私たちに子どもがいなければ、もっと旅行していただろう」とでも訳せるだろう。Zero Conditionalでは、結果は常に起こること、First Conditionalでは、結果は高い確率で起こることだった。一方、Second Conditionalでは、結果は上記のようにほとんど起こり得ないこととなる。
最初の例では、「もしお金をたくさん持っていたら」だから、実際は持っていないことを示す。お金がなければ車は買えない。宝くじに当たるなどして突然お金持ちになることもあり得なくはないが、その確率は極めて低い。
2番目の例では、私たちにはすでに子どもがいるわけだから、「if」以下は「仮に子どもがいないとして」という仮定を述べているに過ぎない。したがって、それを受けるパートも現実には起こり得ないことを表している。
人にアドバイスする時によく使われるフレーズとして、「if I were you」があるが、これもSecond Conditionalを使ったいい例だ。私は私であなたではないわけだから、私があなたになることは不可能だ。したがって、それを受けるパートでは「would」を用い、あくまで仮定の話として「~だろう」と述べるのである。たとえば、次の例のように。
・If I were you, I would accept the offer.(もし私があなたなら、そのオファーを受けるだろう)
■First ConditionalとSecond Conditionalの違い
最後に、First Conditionalとの違いを改めて確認しておこう。
・If I have a lot of money, I will buy a car.
・If I had a lot of money, I would buy a car.
最初の文では、近々大金を手にする可能性が高いことを示唆している。したがって、車を買うというのも、かなりあり得る話なのだ。一方、次のSecond Conditionalを使った例では、お金を手にする見込みはほぼないことを表している。したがって、車を買うなどということも現実にはほぼあり得ない夢物語なのだ。
なお、Second Conditionalでよくあるミスで、しばしばネイティブスピーカーにも見られるのだが、「if」のパートでも「would」を使ってしまう人がいる。しかし、仮定法で「would」は2回使わない。First Conditionalの「if I will」が常に誤りなのと同様、「if I would」も誤りであることを覚えておこう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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