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パウエル発言で厳しい年末相場か!?
FRB(米連邦準備理事会)は13~14日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、50ベーシスポイント(bp)利上げし、政策金利を4.25-4.50%とした。
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利上げペースは鈍化したが、FRBパウエル議長はFOMC後の声明で、インフレ率2%に戻すという目標を堅持するとし、2023年に利下げが行われることはないと示唆している。
市場からはタカ派と捉えられ、11月の小売売上高も低調だったこともあり、NYダウは一時900ドル超の下落となった。
インフレが鈍化し、利下げの時期も意識されると予測されたことから、マーケットには明るい兆しが見え始めたが、振出しに戻ったような今回のパウエル発言だった。
年末相場から2023年へと悲観的なマーケットとなるのだろうか?
●FEDに逆らうな
Don’t fight FED!(FEDに逆らうな!)というマーケットの格言がある。
FEDつまりFRBが打ち出す金融政策に逆らわず、金融政策に従った投資をせよと言う意味である。
1970に初版が出版された著名投資家マーティン・ツバイク氏の著書「ツバイク、ウォール街を行く-株式相場必勝の方程式」の中で記されている。
FRBの政策に、マーケットは引きずられやすい傾向がある。
●楽観論も
今回FOMCメンバーの見通しも、2023年の政策金利の見通しが現行の4.25%-4.5%から5.1%と大幅に上がった。
利上げのペースは減速したが、小幅な利上げが長期化する懸念があり、まだまだ利上げが続く可能性がある。パウエル発言と照らし合わせ、リスクオンが遠のいたという見方ができなくもない。
だがパウエル氏は、11月にもマーケットの楽観論を戒める発言があり、その時も下落する局面があった。一方で、景気減速傾向が指標には現れてきており、11月のCPIも物価上昇率は鈍化傾向が鮮明となり、パウエル発言に懐疑的な見方もある。
11月もパウエル発言後、株価は戻り、2023年末の利下げまで織り込まれるくらい先取りする市場関係者が多かっただろう。
年末相場は世界的に上昇しやすいが、日本の投資家は節税売りする傾向がある。
2023年もFRBと投資家の“かけひき”は続きそうだが、年末相場は警戒が必要かもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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