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オイシックスの現状を、30%超の株を保有する外国人投資家はどう受け止めるか
オイシックス・ラ・大地(東証プライム。以下、オイシックス)。安全に配慮した青果物を軸にネット販売を展開。大地の会やらでぃしゅぽーや、などをグループ化。
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そんなオイシックスは今年の株式市場に話題を提供した、屈指の存在。給食事業運営のシダックス(東証スタンダード)にTOBを仕掛けた。「オイシックス」「シダックス」「大株主:ユニゾン・キャピタル」「シダックス創業家:志太一族」の「4者よつどもえ戦」という紆余曲折。
だがそれも、漸く目途が立ちTOB成就のはこびとなった。オイシックスの狙いはシダックス(の子会社が)手掛ける「給食事業」にあるとされるが、どんな展開になるのかは今後の流れを確認するほかはない。
現時点で目を注ぐべきは、収益動向の回復の可否。
前2022年3月期は13.4%増収も、「44.1%営業減益」と21年3月比44%水準に落ち込んだ。オイシックスは、理由をこう説明している。
★宅配(オイシックス)事業): 当初想定通りに会員数・ARPU(ユーザー一人当たり売上高)は推移していたが、第4四半期に発生した物流センターへの移転トラブル(空箱輸送or欠品等)が影響。売上高17.4%(585億4600万円)、営業利益21.7%減(70億3600万円)。
★宅配(大地を守る会)事業: シニア層が手軽に健康実感できる食材・レシピセット(まるごはん)に注力。ARPUは順調に推移も、前期のコロナウイルス感染症拡大によるイレギュラーな売上・利益増の反動で5.3%減収(132億4000万円)/5.5%営業減益(22億7000万円)。
★宅配(らでぃしゅぽー)事業: 大地を守る会事業と同様の分析を配信。「1.6%減収(174億3200万円)、19.7%営業減益(24億2900万円)。
そのうえで「今後の見通し」として「新型コロナウイルス感染症の拡大を経て生活が大きく変化する中で・・・・・ECを活用した食品宅配市場におけるトップ・ブランドとして地位確立・高い成長を目指す」として今期予想を、「5.7%の増収(1200億円)、7.9%の営業増益(45億円)」としている。そして第1四半期は前年同期比「50.7%営業減益」。
正直に気持ちを吐露すると前期決算・今期計画にしても「コロナ問題」動向を勘案しても、「説明不足、説得力欠如」を覚える。
そうした中で懸念されるのは、外国人投資家動向。直近で31.2%。果たして「EC食品宅配トップ」で積極的に買ってきた彼らが、記した状況下で無配株にどんな姿勢を示すだろうか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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