「健康経営企業は買い」を、5年連続認定企業:DICで確認する

2022年8月1日 16:15

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 「健康経営」企業が、株式市場でも評価されているとされる。その意味で6月25日の読売新聞オンラインの『ご飯「大盛り」やめた社員食堂、拡大する「健康経営」・・・企業の株価も堅調に』と題する記事を、興味深く読んだ。是非ご一読あれ。

【こちらも】デクセリアルズ「健康経営優良法人2022」認定の理由

 そもそも「社員の健康促進と前向きに取り組む」健康企業の認定は、どんな経緯で生まれたのか。経済産業省と東証が2014年度から「長期的な視点で取り組んでいる上場企業を『健康経営優良銘柄』と認定する」ようになったのが、そもそもの始まり。現在では認定の対象は中小企業・団体にも(別枠で)広がっている。

 上場企業の場合は、認定企業の上位500社に健康経営優良銘柄『ホワイト』の冠が載せられる。読売新聞オンラインでは今年3月に認定された企業は、東海地方から豊田合成・愛知銀行・JR東海・日本特殊陶業・豊田通商が選ばれたとしている。ちなみに表題の「ご飯“大盛り”をやめた」企業は、豊田合成。

 アナリストの面々は、「社員の健康と真摯に取り組む企業には、好調な収益が背景となっているケースが殆ど。株価に確かに反映されているケースが多い」と解説する。

 そこで、『健康経営銘柄ホワイト』の認定を数年来受けている企業は・・・と調べた。浮かんできたのはDIC(東証プライム)。5年連続して認定されている。

 インキ(インク)で世界首位。樹脂や電子材料向けなどを中心に提供されている。前12月期の「22.0%増収、8.1%営業増益」に続き今期も、「11.1%増収(9500億円)、25.9%営業増益(540億円)」と好調計画。

 前期については「国内外の活発なデジタル関連需要を背景に、高付加価値な半導体や電気・電子向け製品材料の出荷が引き続き好調」「食品包装分野の出荷が堅調」「自動車向けも減産の影響が見られたが、総じて出荷は堅調」と総括されている。

 また2021年7月に連結対象とした顔料事業(M&A・統合で規模拡大)も想定以上。化学関連業界紙ではこの顔料事業を「売上高1兆円の武器」としている。

 では現にDICを株価はどんな風に評価をしているのか。本稿作成中の時価は、2400円半ば水準。昨年9月の3380円から今年3月の年初来安値2206円まで日柄・値幅調整を経て、戻り基調入り。対して担当アナリストが算出するIFIS目標平均株価は、3083円。過去10年間の株価動向は分割などを勘案した修正値ベースで、46%強の上昇。

 投資法としては時価の予想税引き後配当利回り3.3%弱を背もたれに、3000円台再来を待てということか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る

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