チリの砂漠で撮影された4大惑星と流星群 ヨーロッパ南天天文台

2022年7月5日 15:12

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チリの砂漠で撮影された4大惑星とみずがめ座エータ流星群 (c) ESO / P. Horalek

チリの砂漠で撮影された4大惑星とみずがめ座エータ流星群 (c) ESO / P. Horalek[写真拡大]

 みずがめ座エータ流星群は、ハレーすい星を母天体とし、5月上旬に出現ピークを迎えるが、有名な3大流星群(1月上旬のしぶんぎ座流星群、8月中旬のペルセウス座流星群、12月中旬のふたご座流星群)と比べるとマイナーな存在だ。だが2022年は、明け方の空に金星、木星、火星、土星がほぼ一列に並んで輝く特別な星空を背景にした出現となり、注目を浴びた。

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 ヨーロッパ南天天文台(ESO)は4日、チリの砂漠で撮影されたみずがめ座エータ流星群の写真を公開した。この写真にはたくさんの流星が捉えられているが、特に注目すべきことは、ほぼ中央にたてに4大惑星が並んで写っていることだ。

 4大惑星のうち、一番下で最も明るく輝いているのが金星で、その真上で、金星に次いで明るく輝くのが木星。その少し上方に赤く輝く火星、さらにその上方に土星が輝いている。このような素晴らしい天文ショーにお目にかかれるチャンスは実は数十年に1度しかない。

 現在は、この写真が撮影されてからほぼ2カ月が経過しているが、4大惑星はそれぞれの位置関係が少し変わったものの、今でも明け方の空に仲良く並んで輝いている。

 ESOの写真では、4大惑星が上下に一列に並んで写っているが、日本の明け方の空では斜めに傾斜した形で並んで輝く姿が眺められる。特に金星と木星は明るく目を引くので、誰にでも簡単に見つけることができる。火星もオレンジ色で比較的明るいため、見つけるのに苦労はいらない。土星はほかの3つの惑星と比べるとやや見つけにくい。だが、星図を片手に探せば星図にない明るい星が土星なので、ぜひ探してみてほしい。

 口径6cm以上の望遠鏡があれば、金星は月のように満ち欠けがあり、木星はガリレオ衛星が毎日微妙に位置を変えていることがわかる。火星は模様が見えるかもしれないし、土星はちっぽけだが輪っかがはっきりと見える。1度に4つの惑星を観望できるチャンスは今回を逃せば、しばらくは訪れない。惑星を眺めるために早起きしてみるのもいいだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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