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障がい者支援事業で実績を積む、エスプールの足元と今後の方針
昨年3月10日の経済欄で『障害者の就業に関する一考察:下』で、障がい者の就労を支援する「農業事業」を展開しているエスプール(プライム市場)を投稿した。前11月期まで「過去最高の売り上げ・利益を更新中」と知り、改めてエスプールの現状を覗いてみた。
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前11月期は「18.3%増収、19.7%営業増益、19.0%最終増益、2.70円増配の6円配」。そして今期も「15.2%の増収(287億7000万円)、19.9%の営業増益(32億円)、13.4%の最終増益(21億3300万円)、2円増配8円配」計画で立ち上がり、第1四半期は「前年同期比20.5%増収、73.3%営業増益、78.5%最終増益」と好調な滑り出しを見せている。エスプールの事業は大きく2つに分かれる。それぞれについて前期を振り返ると、こんな具合だ。
・ビジネスソリューション事業: シニアや障がい者などの潜在労働力の活用を支援や、企業の業務の一部を受託アウトソーシングサービスの提供。
主力は障がい者雇用支援サービス。21年3月の法定雇用率引き上げで企業の意識が高まり、就労機会を実現する需要が増加している。設備販売では1188区画(障がい者1人につき2区画)と過去最高(936区画)を大幅に更新。農園の開設も7施設、累計30施設となった。同事業部門は32.1%増収(76億9600万円)、31.0%の営業増益(21億2100万円)。
◆今年4月の段階で障がい者雇用に向けた農園「わーくはぴねす農園」を、新たに神奈川県横浜市・埼玉県川越市に開設した。エスプールが運営する企業向け貸農園を活用する企業は約430社に増加し、2500人超の障がい者の就労が実現している。そしてこの11年間の就労者の定着率は92%を超えている。今年開設の2農園でも約200人の就労を見込んでいる。至る2025年11月期の中計でも「設備販売:1万区画」「60農園:就労者数5000人」が掲げられている。
・人材ソリューション事業: 人材派遣サービス。フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれるエスプールの社員と人材がチームで派遣されるのが特徴。主力はコールセンター業務。新型コロナウイルス感染症対策のスポット需要の増加に加え、自社コールセンターの3施設開設が寄与。13.0%の増収(172億3400万円)、8.7%営業増益(19億1000万円)となった。
ちなみに前記した中計では、「売上高410億円(今期計画比42.5%増)、営業利益50億円(56.3%増)」の数値目標が掲げられている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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