鳥取県が2022年も副業人材を募集 地方副業で地域活性化に貢献

2022年5月27日 07:11

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 鳥取県は、2019年から実施している「とっとり副業・兼業プロジェクト」に関して、2022年も副業人材の募集を開始した。本記事では、鳥取県による副業人材募集の目的や背景に加え、地方副業のメリットについても紹介する。

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■鳥取県が2022年も副業人材を募集

 23日、パーソルキャリアが運営する地方特化型マッチングプラットフォーム「Loino」は、「とっとり副業・兼業プロジェクト2022」における第1次募集の開始を発表した。

 「とっとり副業・兼業プロジェクト」は、「週1で地方企業の副社長になる」をキャッチコピーに、鳥取県が民間企業と提携して、2019年から実施しているプロジェクトだ。これまで「移住就職・副業兼業セミナー」や「鳥取企業スタディツアー」なども開催してきた。

 このプロジェクトの主な目的は、鳥取県による県内中小企業の「攻めの経営」の支援にある。高齢化社会による若者人口の減少と都市部への人材流出は、地域活性化の大きな足かせとなっている。こうした地方に共通する同様の背景から、鳥取県は新たな人材活用を目指し、副業者の募集開始を決めたようだ。

 「とっとり副業・兼業プロジェクト2022」は、Loinoの特設サイトにて5月23日~6月5日まで第1次募集行う。副業人材の募集は、計4回行われる予定で、合計120名120社のマッチングを目指している。

 募集案件はリモートワーク可のものが多くを占めており、特に経営戦略、マーケティング、ITに精通した人材を求めている印象が強い。鳥取県はカニ漁をはじめとする漁業や畜産、農業なども盛んで、魅力あふれる特産物が他にも多くある。だがそうした特産物を購買に繋げるための、ECサイトやSNSといったIT戦略を担う人材が不足しているのだ。

 また募集案件を見ると、財務や人事、組織づくりに関する人材も求められている。ビジネス戦略における全般的な人材が必要とされているため、都市部で勤務している多くの副業者にチャンスがあるだろう。

■地方副業はスキル向上と地域活性化への貢献が両立

 地方副業は、副業者にとってスキル向上を図れる機会だ。プライベートな趣味の活動とは異なり、地方副業は本業同様にビジネスなので、責任が伴うことから緊張感がある。本業で勤めている企業から離れ、一個人として働くため、個人事業主やフリーランスと同様の働き方になるのだ。

 加えて、企業の一員ではなく一個人として地方副業することは、自分自身の本当の評価を知る機会にもなる。これは転職を検討していたり、将来的に独立を目指している副業者にはメリットだ。

 転職を検討している副業者の中には、勤務環境だけでなく、人事評価にも不満を持っているケースがある。だが一方で、収入が減るリスクもあるため、自信が持てずに転職に踏み切れないジレンマに悩まされるのだ。この場合、地方副業をすることで、本業とは異なる企業からの評価を得られるだろう。仮に本業と同じ評価であれば、自分自身を見つめ直すきっかけにもできるのだ。

 また地方活性化に貢献できる点も、地方副業の大きな魅力である。自身の働きがポジティブな結果に繋がるのは、副業を継続する強いモチベーションになる。副業収入という金銭的な価値に加え、地方に暮らす人々の生活を豊かにできるという充実感も得られるだろう。

 「とっとり副業・兼業プロジェクト2022」は、今後8月、11月、そして2023年2月にも募集を行う予定だ。地方副業に興味のある人は、この機会に挑戦してみるのもいいだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る

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