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1月7日に公開された映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、トム・ホランド演ずるスパイダーマンが主人公となる3作目の映画だ。
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マーベル・スタジオとコロンビア・ピクチャーズが共同で製作し、ソニーが配給するシリーズの集大成とも言えるこの映画。アメリカなどでは昨年12月に公開されて大ヒット、半月足らずの間にソニー・ピクチャーズ史上最高の興行収入をあげた(米IGN調べ)。
今回は自分の正体を暴露されたばかりでなく、マルチバースから侵入してきたヴィランと戦うスパイダーマンに関連する名セリフを紹介したい。
■ That feels weird, but I'll allow it.
ピーター・パーカー/スパイダーマンとドクター・ストレンジの関係は、もともと親密なものではなかった。「ノー・ウェイ・ホーム」の序盤でドクター・ストレンジに助けを求めて彼のもとを訪れたピーターは、丁寧にSirで呼びかけている。
しかし、人類を救うため何度も戦ったことでドクター・ストレンジはピーターに親近感を覚えたのか、Sirを使わないでくれとピーターに言う。そこでピーターはドクター・ストレンジのファーストネーム・「スティーブン」と呼びかけるようになった。
いきなり対等な口をきかれて戸惑うドクター・ストレンジは、「変な感じだが、まあいいだろう」と受け入れる。
このセリフではfeelの主語がthatすなわち「ファーストネームで呼びかけられること」である点に留意されたい。Feelという動詞は、物事を主語として「(あることが)~と感じられる」という意味でも使えるのである。
■ I would like to have my word stricken from the record.
スパイダーマンの正体が、ピーター・パーカーであることが暴露されたため、彼の知り合いは当局から詳しく事情を聞かれることになった。
ピーターのクラスメートで親友のネッドは、過去のスパイダーマンの活躍に関与していたことをうっかり喋ってしまう。犯罪を証明することを話してしまったのではないかと焦ったネッドは、尋問担当者に「私の言葉を記録から削除してほしい」と泣きついた。
このセリフでhaveは「~してもらう、~させる」という意味の使役の動詞である。Strickenはstrikeの過去分詞、strike from the recordで「記録から削除する」というイディオムになる。
■ Get on your phones, scour the internet, and Scooby Doo this shit.
別のユニバースから侵入してきたヴィランたちを捕まえるため、ドクター・ストレンジはピーターたちに捜索を命じる。
Get on your phonesは「電話を使え」ということ。あわせてget on a phone/mobile to「~に電話/携帯で連絡を取る」というイディオムも覚えておきたい。
Scooby Dooはハンナ・バーベラ・プロダクションの往年の名作アニメシリーズに登場する、臆病な大型犬・グレート・デーンの名前。日本では『弱虫クルッパー』というタイトルで放送されていた時期がある。
Scooby Dooという名前がこのセリフのように動詞として使われることは珍しい。アニメではスクービー・ドゥーと仲間たちが怪奇事件を解決している。したがってこのセリフは、「謎を解決する、頭を働かせて情報を得る」といった意味だと連想できる。
■ The longer you do that, the more dangerous it becomes.
スーパーヒーローに共通のジレンマは、ヒーローとしての活動と一般人の生活を両立させること。ピーター・パーカー/スパイダーマンも例外でなく、「2重生活を続けるほど危険になってくる」とドクター・ストレンジは指摘する。
このセリフは、形容詞や副詞の比較級の前につけられる副詞としてのtheに関する、ひとつの典型的な用例である。2つ重ねることで「~すればするほど、ますます~する」という相関を表す意味になる。
後半のthe more dangerousでは、dangerousが2音節以上の単語であるため、比較級を作るのにmoreが用いられることも確認しておきたい。
■ With great power comes great responsibility.
「大きな力には大きな責任がついてくる」は、サム・ライミ監督の実写映画『スパイダーマン』(2002年)で使われてから、人口に膾炙するようになった名セリフ。ピーター・パーカー/スパイダーマンの伯父・ベン(クリフ・ロバートソン)がピーター(トビー・マグワイア)を諭す言葉で、彼の人格形成に重要な役割を果たした。
この文は主語のgreat responsibilityを動詞・comesの後ろに置くことで、責任の重大さを強調している。
「ノー・ウェイ・ホーム」でこの重要なセリフがピーターの伯母・メイの口から語られることは、映画の決定的なポイントと言えよう。トム・ホランドのスパイダーマンは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)で初登場以来、原作コミックスやこれまでの映画とは異る人生を歩んできた。
だがこのセリフによって、彼もまたこれまでのスパイダーマンの精神を受け継いでいることが強く印象づけられるのである。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)
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