ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ユーロ圏のインフレ進行を警戒

2022年1月15日 14:32

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記事提供元:フィスコ


*14:32JST ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ユーロ圏のインフレ進行を警戒
■やや強含み、ユーロ圏の金利先高観強まる

今週のユーロ・ドルは、強含み。欧州連合(EU)による南アフリカ諸国の渡航規制解除などを受けて規制強化を警戒したユーロ売りは一段落した。1月11日に開かれた米上院公聴会でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「利上げのタイミングは決定していない」と述べたことから、米国の金融引き締めに対する市場の警戒感は低下し、ユーロ買い・米ドル売りが優勢となった。取引レンジ:1.1285ドル-1.1483ドル。

■もみ合いか、欧米インフレ注視のなか米FOMCに思惑

来週のユーロ・ドルは、もみ合いか。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は域内のインフレに懸念を示しており、1月ZEW景況感調査や1月消費者信頼感が堅調ならユーロ買いに振れやすい。目先的には1.15ドル台を目指す展開が続く見通し。一方、米インフレ高進も警戒されており、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ期待でドルは売りづらい。

予想レンジ:1.1350ドル−1.1550ドル

■弱含み、米国株安を嫌気してユーロ買い縮小

今週のユーロ・円は弱含み。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院公聴会で「金融政策正常化の道のりは長い」、「利上げのタイミングは決定していない」と述べたことから、急速な利上げに対する警戒感は低下し、ユーロ買い・円売りが一時強まった。しかしながら、早期金融引き締めを警戒して米国株式は弱含みとなったことや、欧州諸国における新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染拡大を嫌気してリスク選好的なユーロ買いは縮小。週後半はユーロ売り・円買いが優勢となった。取引レンジ:129円78銭−131円48銭。

■下げ渋りか、ユーロ圏のインフレ進行を警戒

来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州で新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するなか、経済への影響を懸念したユーロ売りが先行する可能性があるが、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は域内のインフレ進行に懸念を示していることが意識されそうだ。1月ユーロ圏ZEW景況感調査が市場予想を上回った場合、ユーロ買いが強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・18日:1月ZEW景気期待指数(12月:26.8)
・19日:11月経常収支(10月:+181億ユーロ)

予想レンジ:129円00銭−131円50銭《FA》

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