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水星が東方最大離角に 1月7日から11日の夕刻が見ごろ
1月7日から11日にかけての東京での17時ごろの西の星空 (c) 国立天文台[写真拡大]
年明け最初の天文イベントは、1月4日のしぶんぎ座流星群だが、その直後の1月7日から11日にかけて、水星が東方最大離角となり、夕方の空を彩る。夕刻の空における最大の主役はなんといっても金星だが、この星を肉眼で見た経験のない人もまだまだ多いことだろう。だが1度その輝きを目にすると、価値観が変わってしまうほどの感動を味わう人も少なくない。
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この金星が宵の明星として最大光度となったのは、1カ月前の2021年12月4日であった。現在夕刻に見える金星は水星よりもかなり低い位置にあり、水星よりは明るいものの(光度はマイナス4.1等級)、非常に見にくく、むしろ見えない可能性のほうが高いといったほうがよいだろう。
反面、水星は日没後約10度の高度にあり、しかも光度はマイナス0.5等級なので、比較的見つけやすいだろう。また近くには0.8等級の明るさで土星が輝いているためより見つけやすい。夕刻17時ごろといえばもうかなり暗くなっているので、興味がある人はぜひとも1月7日から11にかけて西の空を眺めてみよう。
金星の圧倒的な明るさには少し及ばないが、それでも冬の星座の中ではかなり明るい、オリオン座のリゲルや小犬座のプロキオンよりもはるかに明るく輝く水星は、肉眼でも確実に見えることだろう。もし双眼鏡があれば、水星の少し上に土星が見え、さらにその上のほうに木星が見えるため、少し欲張って、木星のガリレオ衛星を双眼鏡で眺めてみるのも一興だろう。
恒星に比べて惑星は、都会でも比較的見やすい天体である。恒星は非常に遠くあるため、地球からは点にしか見えず、空気中のチリに遮られて見えなくなるタイミングがある。一方惑星は、太陽系内にあり、面積を持った存在のため、チリに光を遮られることがない。
新しい年が始まった今、夕刻西の空を眺めて木星、土星、水星の存在に触れ、宇宙の神秘に癒されてみてはいかがだろうか。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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