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地方創生のカンフル剤になれるか? 混雑懸念するコロナ禍のお出かけ
昨年の10月に緊急事態宣言が解除され、その後、再度宣言が発出されることなく、無事の年越しとなった。新年を迎えて気持ちも新たにお出かけして、といきたいところだが、実際のところはどうだろう。株式会社主婦の友社が行なった、緊急事態宣言解除後の生活についてのアンケートによれば、感染対策に気をつけた上でのお出かけを、70%以上の方が開始しているそうだ。ただ、お出かけを再開した約8割の方が、「混雑していないか」「換気は充分か」など、手放しでお出かけを楽しめていないという結果になった。
コロナ禍のステイホームは、なかなか気が滅入ってくるものだ。しかも子供がいらっしゃるご家庭であれば、子供にもステイホームさせることになり、親子共々ストレスを抱え、精神衛生上よろしくない。感染対策が徹底されていて、混雑や換気を気にすることなく、親子で楽しむことができるお出かけ先。そんな理想のお出かけ先が、民間企業主体で地方に増えてきているのをご存知だろうか?
まず、地方に本社を構える企業から。岡山県に本社があるハチミツメーカー・株式会社山田養蜂場では、グループ会社の観光施設「山田みつばち農園」で、いちご摘み採り体験を開始した。1月5日、いちごの日から開始されたこのイベントでは、ミツバチが行う花粉媒介によって実ったいちごの摘み採りを楽しめる。化学農薬不使用のいちごが全部で7種類用意されており、購入した後は持ち帰ったり、農園の売店ハウスにあるカフェスペースで、いちごを食べたりできる。また、スティックタイプのハチミツも販売されているので、お好みでハチミツをかけて食べることも可能。自然環境におけるミツバチの働きを学びながら、摘み採りたてのいちごも楽しめる。まさに理想のお出かけ先と言えるだろう。
次は、都市圏に本社を持つ企業が、地方でイベントを開催するケースだ。大手飲料メーカーの株式会社伊藤園が、滋賀県の琵琶湖でヨシ狩り体験を開催する。同社では、『お~いお茶「お茶で琵琶湖を美しく。」キャンペーン』を2008年から継続している。ヨシには水質保全に役立つはたらきがあり、健全なヨシ群落を育てるために、定期的なヨシ狩りは欠かせない作業だ。このイベントは、琵琶湖の自然環境に興味を持っている方であれば、誰でも応募することができる。ヨシ狩りを通じて、親子で自然環境について考える、良い機会になるのではないだろうか。
最後は、本社機能を地方に移転した企業だ。一昨年の9月に、淡路島へ本社機能の一部移転を発表した大手人材派遣事業の(株)パソナグループが、昨年の8月、劇場・レストラン「青海波(せいかいは)」を開業した。地元の山海の幸を堪能できるこのレストランでは、音楽のプロを目指す若者集団「音楽島」のメンバーが、食事中に音楽を奏でて、従業員としても活躍している。コンサート会場のような混雑や換気を気にすることはなく、感染対策もしっかり行われている。地元の美味しい料理も楽しめて、更に間近で芸術鑑賞ができる。親子にとって印象深い休日になること間違いなしだ。
紹介したイベントや取り組みは一部であり、他にも多くの民間企業が、地方へ人を呼び込むという課題に取り組んでいる。反対に都市圏に住む人の目も、コロナ禍以前に比べ、地方に向けられることが多くなった。自粛要請の続いた都市圏から、地方へ移住するという方も増えている。リモートワークの普及で、必ずしも都市圏に住まなくても仕事ができるようになった。「コロナ禍のお出かけ」という話題は、もしかすると地域格差の解消や、地方創生の発展に繋がるのかも知れない、とさえ思わせてくれる。少し話が飛躍したが、お出かけで混雑を心配している方は、地方へのお出かけを検討してみてはいかがだろうか。 (編集担当:今井慎太郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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