新手の車両盗難手口「CANインベーダー」から愛車を守る方法は

2021年10月19日 17:28

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 高級車の車両盗難は後を絶たないが、新たな手口として「CAN(キャン)」インベーダーと呼ばれる手法による盗難が発生している。これまでのリレーアタックによる盗難との違いは、スマートキーから発する電波がなくとも盗難が可能なことで、配線からクルマの頭脳であるCPUに直接アクセスして盗難を行なう。

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 最近リレーアタックの対策を講じているにもかかわらず、盗難にあうクルマの件数が増えてきた。2021年8月には、兵庫、埼玉、千葉でCANインベーダーによるクルマ窃盗により逮捕者も出ているが、その後も被害は発生している。

 CANインベーダーとは、クルマのメインコンピューターを物理的にハッキングしてクルマを盗み出す手口だ。クルマは、コンピューターにより制御されており、その制御にはCAN通信と呼ばれる方法が取られている。運転席の下あたりにあるOBDIIと呼ばれるコネクターに専用機器を繋げば、クルマの診断が可能だが、この制御方法を逆手に取った盗難方法がCANインベーダーだ。

 盗難の手口は、フロントバンパーをこじ開けて、ヘッドライトに専用機器を割り込ませ、クルマをハッキングするというものだ。最近の高級車には、アダプティブヘッドライトと呼ばれる走行状況によってライトの照射範囲を変える技術が使われているが、これがあだとなった形といえる。

 そこで、CANインベーダーから愛車を守る方法としては、物理的にタイヤロックすることや、ハンドルロックの効果が高い。それでも完全に盗難から逃れることはできないが、物理的な金属製の施錠を外すには時間がかかるため、窃盗集団も心理的に手を出しづらくなる。

 また、後付けの盗難警報装置も有効だ。高価な商品であれば、クルマのコンピューターを介さずに独自の制御で開錠や施錠、エンジン始動をさせるため、CANインベーダーでハッキングされても開錠できず、エンジン始動も不可能だ。愛車を守るために、手間をかけた盗難対策が必要となる現状では、自動車メーカーにもさらなる対策を望みたいといえる。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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