【注目銘柄】中本パックスはファンダメンタルズ的にもテクニカル的にも売られ過ぎとして買い材料視

2021年10月7日 10:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

中本パックス<7811>(東1)は、日経平均株価が続落した間の下落幅が2400円超となりフシ目の2万8000円台を割ったことが響き、9月17日に年初来高値1975円をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となっていた。

中本パックス<7811>(東1)は、日経平均株価が続落した間の下落幅が2400円超となりフシ目の2万8000円台を割ったことが響き、9月17日に年初来高値1975円をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となっていた。[写真拡大]

■連続最高純益更新の業績上方修正を手掛かりに押し目買い交錯

 中本パックス<7811>(東1)は、日経平均株価が続落した間の下落幅が2400円超となりフシ目の2万8000円台を割ったことが響き、9月17日に年初来高値1975円をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となっていた。ただ、下値には押し目買いも交錯している。今年9月29日に発表した今2022年2月期業績の上方修正で、純利益が、期初の減益転換予想が増益に変わって前期の過去最高を連続更新し、株価は25日移動平均線から6%超とマイナスかい離したものの下ヒゲで75日移動平均線にタッチして戻しており、ファンダメンタルズ的にもテクニカル的にも売られ過ぎとして買い材料視されている。

■中食・内食向け包材と電子部品向けフィルムが堅調に推移

 同社の今期純利益は、前期に持分法適用会社を連結子会社化し、負ののれん発生益2億2700万円を特別利益に計上する特殊要因が一巡することから期初に11億3300万円(前期比13.8%減)と減益転換を見込んでいた。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のために緊急事態宣言が発出されるなか、食品関連では中食・内食需要の高まりで冷凍食品、乳製品のスーパー向けの包材やテイクアウト・デリバリーの容器、トレーなどが堅調に推移し、IT・工業材関連でも、電子部品の製造工程向けのフィルムやパッケージの需要が5G関連や車の電装化向けに増加し、生産効率化による原価低減効果も上乗せとなったことが要因となった。

 業績の上方修正は、今期第2四半期(2021年3月~8月期、2Q)累計業績、2月期通期業績を対象としているが、このうち2月期通期業績は、期初予想より売り上げを15億円、営業利益を4億7300万円、経常利益を6億円、純利益を3億3700万円それぞれ引き上げ、売り上げ395億円(前期比9.6%増)、営業利益23億3000万円(同35.8%増)、経常利益25億円(同42.8%増)、純利益14億7000万円(同11.7%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(13億1500万円)を連続更新する。なお通期業績の上方修正幅は、2Q累計業績の上方修正幅を下回り慎重な業績予想となっているだけに、期の進行とともに再上方修正期待も高まってくる。

■PER9倍と売られ過ぎで年初来高値奪回から分割落ち後高値も意識

 株価は、今期第1四半期業績がV字回復して着地し、期初予想の2Q累計業績に対して高利益進捗率を示したことで1856円高値まで約300円高し、その後の調整安値1640円からは全般相場の急伸とともに年初来高値1975円まで300円超高の急伸を演じ、足元では全般相場急落とともにこの日のザラ場安値1707円まで再調整し、出直りを窺っている。PERは9倍台と売られ過ぎを示唆しており、売られ過ぎ修正で年初来高値1975円奪回して上値フシを払い、次の上値フシとして2017年12月の株式分割権利落ち後高値2324円(2018年2月)を意識する展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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