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佐川急便、最適な集配ルートを自動で決める「Loogia」を全国で導入
佐川急便は4日、配送業務の最適化サービスを手がけるオプティマインドのルート最適化システム「Loogia(ルージア)」を導入すると発表した。2020年に実施した集配業務での実地検証、試験導入でその効果が認められたため、本格導入に至った。5日より全国の集配業務に導入する。佐川急便は、Loogiaを導入することで、集配業務のデジタル化を進め、効率化を図っていくという。
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Loogiaは、オプティマインドが独自開発したコンピュータアルゴリズムにより、蓄積された走行データを学習・解析し、最適な集配ルートを作成するシステム。今回の導入では、佐川急便が集配業務で使用する情報端末とAPI連携し、アナログで行っていた集配ルートや順序の決定をシステム化する。ドライバーが出発前に行っていた集配先の位置確認やルート決め、配達の進捗・再配達などの集配状況を反映し、ルートの再計算などをLoogiaが担う。
2020年8月に実施した実地検証では、配達先の位置確認から時間帯を考慮したルート決めの時間、営業所を出発してから戻るまでの配送業務時間、配達業務での走行距離の3点について、Loogiaの運用効果を検証。業務経験年数や習熟度の異なるドライバーで、従来運用との比較を行った。
14日間(配送個数80個)の実施結果、Loogiaによる運用ではルート組みや配送業務時間が短縮され、走行距離も削減。習熟度に関わらずに効果が出たが、最も大きな効果が見られたのは新人・応援ドライバーだったという。
実地検証の結果を受け、2020年11~12月には全国約500名のドライバーにLoogiaの試験導入を実施。実施後のアンケートでは特に、経験が浅かったりエリア習熟度が低いドライバーから、継続的な利用を望む声が寄せられた。営業所の管理者層からは、Loogiaの導入で業務経験が少なくても即戦力化が期待できるとの声が得られたという。
Loogia導入の背景には、佐川急便の中期経営計画「Second Stage 2021」がある。同中期計画では、先の中期計画「First Stage 2018」で強化した人・ネットワークなどのリソースを活かせる仕組みづくり、経営基盤の強化を行うとしている。その重点施策の1つとして、「デジタル化の推進と最新技術の導入による効率化」を掲げており、本導入もその1つとなる。
運送業界は、EC市場の活発化に伴い配達需要が増える一方で、慢性的な人手不足があり、労働の需給バランスが取れていないという課題がある。国土交通省がまとめた「最近の物流政策について」(2021年作成、データは2019年時点)によれば、運送トラックドライバーが「不足」または「やや不足」している企業は約7割。また貨物運送業の若年層(15~29歳)の割合は10.2%と、全産業平均の16.6%より低く、高齢層(40~54歳)は44.2%で、全産業平均34.8%よりも高い水準にあるという。
佐川急便はLoogiaを活用し、ドライバーの経験年数や熟練度に関らず、安定した配送サービスが提供できる状態を目指すという。また、Second Stage 2021に沿いシステム構築を段階的に進め、高度化・多様化するニーズに対し最適なソリューション提供ができる仕組みづくりを行っていく方針だ。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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