兵庫・加古川の市立図書館、「カピル21」への移転オープンは10月1日に

2021年8月18日 16:37

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加古川図書館の移転オープンイメージ(加古川市発表資料より)

加古川図書館の移転オープンイメージ(加古川市発表資料より)[写真拡大]

 兵庫県加古川市の第三セクター・加古川再開発ビルがJR加古川駅前で運営する商業施設「カピル21」(加古川市加古川町篠原町)に10月1日、加古川市立加古川図書館が移転、オープンすることになった。これに伴い、核店舗の百貨店・加古川ヤマトヤシキは売り場面積が約3割縮小される。

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 新しい加古川図書館はカピル21の6階に入居し、床面積は約2,400平方メートル。約10万冊の蔵書をそろえ、102席の学習・ワークスペース、読書スペース、セミナールーム、多目的スペースなどを備える。年末年始や毎月第4月曜日の館内整理日を除いて無休だ。なお現施設(加古川市加古川町木村)は、移転準備のため6月24日より臨時休館している。

 図書館内は公衆無線(Wi-Fi)を完備し、学習・ワークスペースのWeb予約、図書の自動貸出機などスマート化を推進する。このほか、コーヒーを飲みながら読書を楽しめるカフェサービス、同じフロアの書店との連携サービスなども予定している。

 カピル21は加古川駅前にある再開発ビル。バブル期の1989年、加古川そごうとしてオープンしたが、2000年に経営破たんして閉店。加古川市が後継店舗としてヤマトヤシキを誘致していた。

 加古川ヤマトヤシキは市内唯一の百貨店で、加古川駅前のにぎわい創出を担ってきたが、若者の百貨店離れやインターネット通販、郊外型ショッピングセンターとの競争激化、コロナ禍で厳しい経営環境に追い込まれている。図書館の移転は公共施設の進出で駅前をより活気づかせる狙いもある。

 地方都市では営業不振に陥った百貨店閉鎖が相次ぎ、中心市街地の空洞化を加速させている。この状況を打開するため、百貨店跡や百貨店が入居する商業施設内に図書館など公共施設をオープンする事例が増えてきた。最近では宮崎県都城市や茨城県土浦市、山形県酒田市などで中心市街地の商業施設跡や新たな再開発ビルの核として図書館が進出している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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