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ドル弱含み、米量的緩和策は年内継続の可能性 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)
*14:00JST ドル弱含み、米量的緩和策は年内継続の可能性 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)
皆さん、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。
ドル・円は弱含みとなりました。7月27−28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で現行の金融緩和策を維持することが全会一致で決まりましたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「労働市場の回復は長い道のり」、「失業率は雇用喪失を過小評価している」との見解を表明し、量的緩和策の縮小開始時期は2022年以降になるとの見方が広がっています。リスク選好的なドル買い・円売りは縮小し、ドル売りが優勢となっています。新型コロナウイルス変異株の感染流行や米国の4-6月期国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回ったことも、ドル買い・円売り縮小の一因となりました。
ユーロ・円は下げ渋りました。新型コロナウイルス変異株の感染拡大の可能性は消えていないこと、欧州中央銀行(ECB)による大規模な金融緩和策は2022年以降も継続する可能性があることから、ユーロ・円は129円56銭まで下落しています。ただ、7月29日発表の4-6月期米GDP速報値は予想を下回ったことから、一時130円56銭まで反発し、週末前は130円台前半で推移しました。
さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
ドル・円は『下げ渋り』を予想しています。米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締めに舵を切るものの、『慎重姿勢を崩さずドルは買いづらい展開となりそうだ』と予想しています。『雇用関連指標からFRBの政策を見極める展開となり、ドルへの売り買いは交錯する』見通しです。『FRBは27-28日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定。新型コロナウイルス・デルタ株は成長の腰折れリスクだが、雇用情勢の改善とインフレ高進により金融政策の支援を弱めるタイミングが近づいているとの見解を示した』と言及しています。
ユーロ・円については『底堅い値動き』を予想しています。米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を受け『ユーロ・ドルが上昇基調を維持できれば、ユーロ・円はそれに追随した値動きとなりそうだ』と述べています。『ユーロ圏の生産者物価指数や小売売上高など経済指標の改善は、ユーロの支援要因に。一方、米雇用統計などを受けドル・円は下げづらい展開となり、ユーロ・円を押し上げる可能性もある』と言及しています。
ポンド・円は『もみ合い』を予想しています。英国内で新型コロナウイルス・デルタ株まん延は警戒されるものの、『感染者減少で制限措置の解除が進み、経済正常化への期待でポンド買いが入りやすい』と述べています。ただ、『8月4-5日開催の英中銀金融政策委員会(MPC)では現行の緩和政策が維持される公算。今後の引き締めに関する主張は現時点で強まっておらず、積極的なポンド買いは抑制される可能性があろう』と予想しています。
今週の豪ドル・円は『底堅い展開』を予想しています。豪準備銀行(中央銀行)の理事会では、『4-6月期消費者物価指数(CPI)が前年比+3.8%(1-3月期は+1.1%)となったことを受けて、利上げ時期見通しの前倒し示唆があるのか注目される』と述べています。『ロウ総裁は前回会合後、「豪CPIは順調な回復にもかかわらずカナダなどより弱い」としていた。金融政策報告や6月貿易収支の発表も材料視される』と述べています。
参考にしてみてくださいね。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコ 馬渕磨理子《FA》
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