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中国の規制でビットコインの下落は続くのか?
●中国がビットコイン採掘を全面禁止
中国政府と金融当局は、5月に暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)を禁止する方針を示していた。ロイター通信によると、6月中旬には中国国営大手銀行やアリペイなどに対し、ビットコインや仮想通貨の取引を避けるように指示していたという。
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ビットコインは5月上旬には1BTC=600万円付近だったが、中旬には1BTC=400万円を切るまで下落。その後6月中旬にかけて1BTC=450万円近くまで戻したが、現在は再び1BTC=400万円を切っている。
中国が仮想通貨やビットコインを規制する背景は、マネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐ目的が表向きではあるが、実際には4月に運用を開始したデジタル人民元を推進したいためとも言われている。
中国の規制によって、今後もビットコインの下落に歯止めがかからないのだろうか?
●中国と仮想通貨
中国は仮想通貨のマイニング大国として知られており、ビットコインの採掘シェアは50%を超えると言われている。
4月には、ビットコインが約14%下落することもあったが、この時は、新疆ウイグル自治区の停電が原因とみられている。
規制を受けて、すでにマイニング業者は四川省などのマイニング施設から撤退している。
今後も、新疆ウイグルや内モンゴル、雲南省など、マイニング施設が集中する地域でも事業根絶に向けた具体策が公表されており、シェアは大幅に下がることが予想される。
●ついにバブルの終了か?
マイニングが禁止されても、楽観的な声もある。
5月には大きく値を下げたがその後戻ったことを考えれば、中国だけの事情でビットコインの価格が動いているわけではなさそうだ。
中国では、ビットコインの決済は禁止されたが、保有までは禁止されておらず、ビットコインの取引も活発に行われており、完全に規制するのは困難である。
マイニングについても、カザフスタンなどの電力の供給が安定しており、なおかつ安価な国へと移転が進んでいるため、先手を打っている業者が多い。
電力消費などの環境問題への影響も無視できないが、脱中国の動きが順調に進めば、規制もそれほど大きな問題にならず、安心が広がれば値を戻す可能性も十分にあるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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