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イングランド北部の英語が楽しめるおすすめ映像作品3選
標準アクセント以外にもさまざまなアクセントが存在するイギリス英語とその映像作品について、前回に引き続き紹介したい。日本の学校で習うことはまずないが、イギリスではその地方の人でなくても多くの人がさまざまなアクセントを理解する。今回はイングランド北部で話されるアクセントを紹介するため、イギリス英語とイギリス文化に興味がある人はぜひチェックしてほしい。
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■Geordie(ジョーディー)
イングランド北東部、ニューカッスルなどTyne川周辺で話されるアクセントがGeordie(ジョーディー)だ。母音の発音の仕方に特徴がある。たとえば、「no」の場合、「ノウ」というより「ノア」に近い。
そんなGeordieを学ぶのにおすすめなのが、2000年公開の映画『リトル・ダンサー(原題Billy Elliot)』だ。1980年代のイングランド北東部の都市、Durham(ダラム)を舞台とした、バレエダンサーを目指す少年の物語である。日本でも高く評価され、DVD化もされている作品だから視聴は容易だろう。
Durhamは炭鉱町として有名で、主人公の父と兄も炭鉱夫だ。父はボクシングの熱狂的なファンであり、息子にも習わせている。そんな息子が突然バレエに目覚め、女の子に混じってバレエを習い始めたのだから、大騒動を巻き起こすのは当然だろう。コメディタッチでありながら、ジェンダー問題をも投げかけた青春映画である。
■Scouse(リヴァプール英語)
Scouseとは、リヴァプールを中心にマージーサイドで広く話されているアクセントである。Scouse(スカウス)という呼び名は、地元の船乗りがよく食べていたシチューの名前に由来するらしい。発音が標準英語と違うだけでなく、語彙にも独特なものが多い。日本語で発音の違いを説明することは難しいので、ぜひ以下に紹介する映画で確かめてほしい。
Scouseを聴くことのできる映像作品はたくさんあるが、ここでは1983年公開の『リタと大学教授(原題Educating Rita)』をおすすめしたい。ジュリー・ウォルターズ演じるリヴァプール出身の美容師Ritaが、教養を身につけようと26歳にして大学に入学し、マイケル・ケイン演じる大学教授と出会うことによって繰り広げられる人間ドラマだ。
主演の2人揃って米アカデミー賞の主演賞にノミネート、英アカデミー賞とゴールデングローブ賞ではともに主演賞を獲得した名演が楽しめる。Ritaの話すScouseアクセントが聴きものだ。
■Yorkshire accent(ヨークシャー英語)
イングランド北東部、ヨークシャーを中心に話されている方言・アクセントだ。古英語に由来するとされており、ブロンテの『嵐が丘』、バーネットの『秘密の花園』などの文学作品にも使われている。「u」の発音が特徴的だが、イギリス人にとっては地元以外の人でも非常に聴き取りやすいそうだ。
ヨークシャー英語を学ぶのにおすすめなのが、クレイアニメ『ウォレスとグルミット(原題Wallace and Gromit)』だ。1989年のショートフィルムを端に以後シリーズ化し、これまでテレビや映画などで多くの作品が制作されている。クレイアニメなので実際の口の動きは確かめられないが、プロの声優が話すヨークシャー英語が非常に聴きやすい。もちろんキャラクターたちが魅力的なのもおすすめの理由である。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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