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米国市場を揺るがす債務上限問題
●迫る連邦債務の期限
米国の連邦債務の上限適用は8月1日に復活するが、今回も民主・共和両党の激しい応酬が予想される。
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米議会予算局によると、新型コロナウイルスの感染拡大による大幅な財政支出によって、2021年の会計年度は財政赤字が2兆2580億ドル(約240兆円)、連邦政府の債務残高が28.5兆ドル(約3000兆円)となり、過去最大になると見込まれる。
2011年にも騒動となった債務上限問題が再び繰り返されるのだろうか?
●10年前の債務上限問題
そもそも米国連邦政府が発行できる国債の総額は法律で決められており、上限に達すれば議会の承認を得て引き上げないといけない。承認が無ければ、国債が発行できず、資金調達ができなくなる。
10年前の2011年には民主党のオバマ大統領と、共和党が支配していた下院が対立し、あわやデフォルトになる寸前まで追い込まれた。
なんとか財務省が資金を捻出し、デフォルト直前で与野党が合意して難を逃れたが、S&Pの米国格付けが1ランク下げられるという事態にまで発展し、市場も大混乱した。
その後も、何度もこの騒動は繰り返されており、政府機関が一部閉鎖されることもあった。
●市場への影響は?
格付け会社のフィッチは、10年前のような混乱が起きた場合、格下げのリスクがあると警告しており、与野党は合意せざるを得ないという楽観的な見方もある。
今回は民主党・バイデン政権ではあるが、当時のような議会のねじれは無い。
しかし財政悪化は止まらず、高齢化の影響でメディアケアの給付額が今後倍増すると見られており、経済成長だけでは補えないと見られている。
先日、長期金利の上昇で株が下落したことがあったが、金利の上昇は今後債務の利払い額の増加することを意味する。
今回は乗り切れたとしても、債務を見直さないといけなくなる場面もあるかもしれない。財政赤字という火種は今後もくすぶり続けるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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