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携帯料金値下げ競争の裏を読む! これまで多くのユーザーに過大な負担が
ソフトバンクは22日、NTTドコモが新プラン「アハモ」で発表した携帯料金の値下げに対抗するプランを発表した。容量(20GB)と料金(2980円)、通話は1回5分以内までが無料となり、4Gや5Gが利用できること、オンラインでの手続きに特化することまでは全く同じだ。
アハモとの違いは、新ブランド「Softbank on LINE(ソフトバンク・オン・ライン)」(仮称)という名称に集約されている。傘下に取り込んだLINEをプラットフォームにして、差別化を図ろうとする戦略だ。
アハモは21年3月からの開始だが、発表以来、2週間ほどの間に30万件を超える事前申し込みがあったようだから、LINEという付加価値を付けたSoftbank on LINEが、どんな動きを見せるのか注目される。
窮地にあるのが後出しジャンケンを決め込んだKDDIだ。先陣のアハモのような注目を集めることはなく、ソフトバンクのような付加価値もない状態で、容量と料金が同じ商品を打ち出してもインパクトに欠けることは想像に難くない。KDDIの個性が表現できる工夫を模索しているところだろう。
但し、アハモに対するマーケットの旺盛な動き出しを見ていると、KDDIは反応が早いユーザー層を逃してしまう恐れを抱えている。もちろん、拙速で中途半端な商品を出して失望を買うか、じっくり検討してマーケットの大勢が決まってしまった後で、間の抜けた商品を発表して失笑を買うようなことは避けたいだろう。
最も苦しいのは楽天だ。事業開始が半年遅れた上に、基地局の設置に手間取って通信品質に不安を抱えて、1年間無料という大サービスを余儀なくされた。その大サービスは300万名限定となっているものの、相当伸び悩んでいる様子だ。
「4G・5Gとも、容量無制限、1カ月2980円」という謳い文句だけを見れば文句なしの第1位だが、通信品質に難があるというウィークポイントは重く、初動のお粗末さが未だに尾を引いている。顧客に対して実施したアンケートが、もう1段の引下げの検討を始めている証だと深読みする向きもある位、楽天の追い込まれ振りは際立っている。
データ容量が注目されるスマホだが、ユーザーの平均的な月間データ通信利用量は7GB程度で、20GBを超えるようなヘビーユーザーは、ほんの数%に止まっているのが実態のようだ。そう考えると、一般的なユーザーは20GBの容量すら使い切れないのに、50GBとか無制限という表現に惑わされて、無駄の多い契約をしていたと言える。
例えて言うなら、自宅で銭湯のように大きな浴槽になみなみとお湯を張って1人で入浴しながら、過大な燃料費と水道代を支払っていたようなものだ。20GBで収まるユーザーが大半であるなら、今まで9000円前後だった料金が2980円になるから60%以上の大幅な値下げとなる。
今回の値下げの最大のポイントは、一般ユーザーに相応しい容量の商品が割安に提供されることだ。今までキャリアが計上して来た膨大な利益は、無制限や50GBという使い切れない大容量の契約から生み出されて来た”あだ花”だったと感じさせられる。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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