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日本発の新型コロナ感染検査法「抗原検査」 富士レビオが開発
11月9日の企業・産業欄に『看護師確保に打たれている施策を垣間見た』という表題で、人生2度目の入院で「痛感したこと」「知ったこと」を記した。痛感したのは「今時の入院事情」である。新型コロナウイルス禍の今、病院側もとりわけ入院患者に対しては検査を徹底し「院内クラスター」の発生は阻止しなくてはならない。
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詳細は9日の記事をお読みいただくとして、私は「抗原検査」という日本で初めて開発された検査を受けた。結果は幸いOKで右腕肘頭の骨折手術を受けた。
抗原検査を可能にした「検査キット」を開発したのは、富士レビオ。2005年に持ち株会社体制(みらかHD)に移行、2020年7月にU.H.グループホールディングスに社名変更。参加子会社の中軸企業である。
U.H.グループHDは、富士レビオの足跡に業態を見て取ることができる。1966年に世界初となる梅毒検査薬を開発・販売、以降「感染症」「腫瘍」「生活習慣病」などの臨床検査薬を開発している。そんな延長線上に、「新型コロナウイルス抗体キット」もある。新型コロナウイルスの構成成分である蛋白質を、ウイルスに特異的な抗体を用いて検出する検査法だという。
2020年5月13日の厚労省の『SARS-Cov-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン』では、「PCR検査とともに有症状者の確定診断に用いることができる」とされ、6月16日の『同ガイドライン』では「症状発症から2~9日の症例では陰性の確定診断と用いることができる」となった。
この間の推移は「当初は、陽性の場合は確定診断となるが陰性の場合はPCR検査が必要だった。だが厚生科学審議会感染症部会等の調査結果を踏まえ見直された」(厚労省)という。という次第で私は入院できたというわけだ。
さてそうなってくると気になるのは、U.H.グループHDの収益動向である。20年3月末では、「コロナ動向を正確に見通すことは困難。とりわけ感染症に関する検査の及び、抗原検査の今後を勘案すると計画しえない」と今期予想を見送った。が、4-9月を公開時点で、「売上高2000~2200億円、営業利益160~200億円、最終利益100~130億円」とした。ちなみに中間期実績は営業利益で、前年同期比41.5%増の81億4600万円となっている。U.H.グループHDでは、4-9月期をこう説明している。
★受託臨床検査事業: 患者の受診抑制が影響し、受託数は減少した。だが新型コロナウイルス感染症のPCR検査や空港検疫所で抗原検査の開始などにより、増収増益となった。
★臨床検査事業: 抗原検査キット・抗原検査試薬の効果で営業利益となった。
一向に衰えが見えない新型コロナウイルスの感染者増。抗原検査需要は今後とも増加しようが、今はただ禍の収束を祈り基本的な自衛策を講じること以外にない・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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