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大日本印刷が生み出す抗菌・抗ウイルス製品
抗菌・抗ウイルス効果のある非接触ICカードのデザインサンプル(画像: 大日本印刷の発表資料より)[写真拡大]
大日本印刷(以下、DNP)はいま、「印刷・情報技術を基盤にした、包装・建材・エレクトロニクス・エネルギー・ライフサイエンスと幅広い事業分野の展開に注力している」される。そんなDNPが10月13日『国内初、抗菌・抗ウイルス効果のあるICカードを開発』と題するリリースを発表した。
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DNPでは以前から抗菌カードを世に送り出していた。今回のリリースのポイントは「抗ウイルス」効果が認められる非接触型ICカードという点。神奈川県立産業技術総合研究所が「ISO 21702に準拠して実施した」分析・評価の結果、効果が確認されたという。発表と同時に、電子マネーや社員証・入館証向けに発売が開始された。そして発売後、こんな見方が急浮上した。
「新型コロナウイルス禍の影響で、生活必需品のあらゆる分野(製品)で抗菌・抗ウイルス効果が求められている。また政府主導の国策としてキャッシュレス化が図られる中で、電子マネーやクレジットカードの抗菌・抗ウイルス化の進捗が強く期待されている。その意味でDNPの今回の開発・販売の意義は大きい」
スイカやパスモなどの電子マネー、クレジットカードの抗菌+抗ウイルス化が可能になるというわけだ。ちなみにDNPでは「抗ウイルス剤をカードの表面にコーティングしてあるので、カードの頻繁な使用などで表面が傷ついても効果は保持される」としている。
DNPはまた11月9日、SIAA(抗菌技術評議会)から2種類の壁装材で認証を取得した(表面に認証マーク表示が認められる)。SIAAはそもそも「抗菌・抗ウイルス・防カビ用の加工製品や薬剤などの普及」を目的に設立された団体。
今回、認証の対象となったのは「不燃PVC(塩化ビニル)壁装材」と「準不燃オレフィン(汎用プラスチック)壁装材」。双方とも抗菌・抗ウイルス性能に加え、消毒用の次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで拭いても絵柄が取れにくく傷や汚れに強い性能を併せ持っている。
斯界に詳しいアナリストは、「DNPはこれまでにもSIAAの認証を幾多受けている。今回の認証で床や壁など室内全体をSIAA認証製品で仕上げることが可能になった」としている。
DNPは今後、国内市場に加え海外市場での展開計画を明らかにしている。「抗菌・抗ウイルスの建材製品全体の売り上げを内外合わせ、2025年度に年間800億円を目指す」という。
先のアナリストは「DNPのコア技術であるEB(電子線)が活かされている」とするが、正確には「?」が私の現状。が、これほどコロナウイルス禍に揺さぶられると「抗ウイルス」と言われると、妙に安堵する。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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