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【間違いだらけのクルマ営業 (3)】 「待てば売れる」時は過ぎた 「潜在市場」を掘り起こせ
具体例としては、あるトヨタのディーラーでプリウスの商談をした時だった、「トヨタ方式のHVはクラッチがないと聞くが、素人だから簡単で良いので教えてくれないか?」と依頼したところ、かなり待たされてから営業マンが、図面を持った整備士を呼んできた。しかし「整備士とは嘘で整備フロントマン」である。示してきた図面はトルコンの図で、図面が読めないと踏んで威圧するために取った手段だった。
【前回は】【間違いだらけのクルマ営業 (2)】「できれば買うことを避ける」商品に自らしてしまう
整備士を名乗るフロントマンは、結局、リングギアを用いたトルクミックスのメカニズムは分からなかった。そしてセールスマンが再び出てくると、こちらの質問を強引にはねのけ、購入するクルマの「色」を決めろと迫ってきた。
しばらく様子を見ていると、契約書を書き始めたので、もう一度HVの仕組みについて尋ねてみたが、取り合わずに商談を進めようとしたので席を立ってしまった。一本釣りセールスである。素直にHVのメカニズムを概略説明すれば商談は進んだはずだった。
「待てば売れる」時は過ぎ、積極的に「潜在市場」を掘り起こしていかねばならない事態になっている。しかし、コロナ禍で若者が自動車に関心を示す流れもあり、潜在市場の大きさを感じさせるデータもある。より「売り方」を工夫すべき時が来ている。この市場の情勢に気付かず、依然として「営業効率化」と称して「売ること」にしか関心を持てないセールスが広がっている。これでは自然に自動車市場は縮小してしまう。
ディーラーをふらりと訪れ、「何かおすすめは?」と聞くと、「購入意欲の少ない客」と判断されてしまう。「年寄りなので、免許返上しようか、支援システムの優れたクルマにしようか迷っている」と話しかけても、「クルマの楽しさ」を語れるセールスマンがいない。自分で、ネットで調べて来ないので「むしろ面倒」、つまり「手数が掛かる」と見て、営業をかけようとしないのが「営業効率化」のようだ。
現代の営業の常識としては「決め買い」がお客で、それ以外は「営業対象外」としている。すると「迷っている層」を、突き放すことになってしまう。また関心がない層は、永遠?にクルマに関心を持つきっかけを持てない。つまり【実用、あるいはマニアでなければクルマに用はなくなる】。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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