教育に必要なのは「期待」ではない 子どもや部下が考えて動くための方法は

2020年6月15日 06:43

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 家庭で子どもを育てるとき、また、会社で新人を育てるとき、どんな想いを持って接しているだろうか。「もっと勉強するようになって欲しい」「きっと目標を達成できる」と前向きな期待を寄せている人もいるかもしれない。

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 一見良さそうに見える期待を寄せるという行為だが、これには大きな問題点が潜んでいる。教育において期待というのは一切不要であり、必要なのは相手の想いを全て受け止める勇気なのだ。

■親や上司が期待することの落とし穴

 相手に前向きな期待を寄せることがなぜ良くないのか。もし子どもや部下が自分の期待通りの結果を出せなかったとき、怒りや落胆を感じてしまうからだ。それは相手にもマイナスに伝わり、ときには自信を失くさせてしまうこともある。

 また、期待に応えようと健気に頑張ることは果たして本人のためになるのだろうか。親や上司の期待を背負わされることによって、自分自身の「どうありたいか」という本心に鈍感になってしまう。そして最悪の場合、疲れや想いを無視した頑張りによって心を壊してしま危険性すらあるのだ。

■教育に必要なのは承認する「勇気」

 期待するなというのは、もちろん子どもや部下に対して無関心であるのが良いという意味ではない。教育において重要なのは、教育する側からの想いではなく教育される側の想いなのだ。

 教育者は子どもや部下に「どうなって欲しいか」や「何ができるか」ということを判断しなくて良い。代わりに本人が「どうなりたいか」「何をしたいか」を最大限に尊重するべきなのだ。ヒアリングをすると教育者にとって不都合な願いをぶつけられるかもしれない。それでも否定せず、一旦は想いを受け止める度量と勇気が必要なのだ。

■教育者に必要不可欠な「聞く」スキル

 子どもや部下から想いを引き出し受け止めるには、高度な傾聴のスキルが必要だ。自分がどう想うかは脇に置いて、相手の理解に徹するということは、話すこと以上に難しい。これができるのは上の立場に立っている者の役目であり、それが教育者としての力量といっても過言ではないだろう。(記事:双風サキ・記事一覧を見る

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