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軍用車とEV・ハイブリッド車
●話題のテスラ・サイバートラック
2019年11月、米テスラは、開発中の全電気式、バッテリー駆動の小型商用車「テスラ・サイバートラック(Tesla Cybertruck)」を発表した。直線で構成されたステルス戦闘機を彷彿させるデザインは印象的だ。
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発表されたスペックは、
全長 5,885mm (231.7 インチ)
全幅 2,027mm ( 79.8 インチ)
全高 1,905mm ( 75.0 インチ)
注:換算数値~日本では正式な最小単位は「2捨3入」して0mmか5mmにする。
シングルモーターRWD、デユアルモーターAWD、トライモーターAWDの3つのモデルが発表されており、航続距離は250マイル以上(EPA推定)としている。デモンストレーションでボディはハンマーで叩いても損傷は無かったが、サイドウインドウへ鉄球をぶつけたら割れたと話題になっていた。
テスラは完全な電動車両で、レンジエクステンダーの様な、発電用の補助エンジンを持たない。
このテスラ・サイバートラックには、軍用で機銃を装着した画像もネット上ではいろいろ見受けられる。
万一、航空機が電動化され、電動戦闘機が出現したとしても空中給油が出来ないのと同様、救援に行っても対処しようが無く、車載バッテリーが放電してしまえば、単なる「箱」と化しレッカー移動か牽引する以外に持って帰れない。
従って、戦場に現れても、「乾電池」の様な使い捨てにしかならないだろう。
●軍用車としての電動車
ここで、軍用車両としてのEV車、ハイブリッド車を考えて見たい。軍用車として、何故「電動車両」を使おうとするのだろうか。
某国は、ハイブリッドの軍用車開発をしていた。軍事関連の門外漢である筆者ではあるが、いろいろ開発関係者と話をして、ある程度は理解出来たと思う。
その車両はハイブリッドだったが、聞くところによれば「電動車両」としての特性部分にメリットがあるという。
●電動車両の優位点
「軍用車」だから、この車両を使う本番は、「戦闘場面」である。従って、その車両を操縦する「兵隊」に対して、快適性や静粛性を求めることはあり得ない。
本番では直接、敵と戦っている「戦場(交戦現場)」に駆けつける場面は、「電動モーター」で駆動せず「内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等)」で一向に構わない。逆に、そんな場面でバッテリー消費はしたくは無い。
エンジンで移動する場合には、エンジンの「熱」や「騒音」が撒き散らされる。敵側からすれば、熱監視システム等によって、状況を把握することが可能となる。見つかってしまえば、空からの攻撃も有り得る。
敵に見つからずに、如何に隠密裏に接近できるかで、戦闘に有利なポジションを確保することが可能となり、その後の戦闘に大いに影響する。
交戦現場(戦場)に近づいたら、エンジン駆動から電動モーター駆動にする。電動モーターは内燃機関と比べて、「発熱量」も少なく、「騒音」も低いので、これは隠密性面で有利である。
戦場では、何百kmも走り回る必要も無いし、何時間も戦闘が継続されることも無いので、電動車両は発熱と騒音面での優位性を武器に戦う。
●補助装置を持たない電動車
軍用車両に電動車両を使うには、補助的な充電用のエンジンは不可欠だ。電池だけなら、バッテリーが上がってしまえばただの箱になる。
だから某国も、ハイブリッド車両として開発していたのだ。
平和な日本で使う電動車なら、JAFを呼んで適当にどこかに預けるなりして、帰って来れば良いが、軍用車には不適合だろう。
残念だが、軍用車が世界中から無くなる日が来るとは思えないが。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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