本当に心地よい暮らしとは? プロの顕彰制度から読み解く、快適な住まいの条件

2020年4月19日 17:40

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記事提供元:エコノミックニュース

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在宅勤務や外出の自粛など、自宅で過ごす時間が増えている

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在宅勤務や外出の自粛など、自宅で過ごす時間が増えている[写真拡大]

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在宅勤務や外出の自粛など、自宅で過ごす時間が増えている。それに伴って、自宅の快適さについての関心が高まっているようだ。

 そもそも、快適な家の条件とは何だろう。まず、一年中、適温が保たれ、湿度がしっかりと管理されていることだ。性別や年齢、体型などによっても、快適と感じる温度や湿度は異なるが、一般的に冬期で20~24℃で湿度40~60%、夏期で25~27℃、湿度は50~60%であれば、多くの人が快適と感じるようだ。

 また、音も大きな要素になる。屋外の騒音を防ぐだけでなく、各部屋の生活音がきちんと防音されていることも、在宅時間の満足度を大きく左右する。

 そして、今回の新型コロナウイルス禍のような状況下の場合、ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEH+(ゼッチプラス)などの基準を満たした、光熱費が実質0円になる住宅は非常に心強い。空調、給湯、照明、換気など、自宅で過ごす時間が増えれば増えるほど、目に見えない経費が膨らんでいく。これらの経済的負担が軽減されることは、精神的に安心できる材料になるはずだ。また、こんな状況下でも、地震大国といわれる日本では、いつ震災に見舞われるかもわからない。泣き面に蜂とならないためにも、耐震性能は重要だ。

 とはいえ、一般的な消費者がいくら独学で勉強しても、実際に住んでみないと、その家が快適かどうかなんて購入前から判断できるものではない。ましてや新築住宅などの場合は、それまでに住んでいた住宅よりもおそらく見た目もきれいなので、そんなに大きな不満は感じないかもしれない。では、一般の消費者が快適な住宅を間違いなく探すにはどうすれば良いのだろうか。

 その方法の一つとして、プロの目を頼ってもいいかもしれない。たとえば、特定の立場に偏らないユニークな学際的研究機関として、地域・都市・環境など国土政策全般にわたる調査研究を行っている日本地域開発センターが毎年、建物躯体とエネルギー設備機器をセットとして、トータルで省エネルギー性能の優れた住宅を表彰する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」という顕彰制度を実施しているが、今年も2月28日に2019年の受賞作が発表されている。

 栄えある2019年度の大賞に選ばれたのは、 愛知県の株式会社アイディールによる「アイディールの家」、長野県のアイエスデザイン建築設計株式会社による「ISdesign『Tunageru家』」、同じく長野県のコージーホーム株式会社の「COCOCASAシリーズ」、岩手県からは株式会社リベストの「YUCACO+ZERO」の4件。「アイディールの家」は、高度な機密性能や断熱性能はもとより、建物まるごと空気清浄器といえる高い換気効率や、床下にも除湿器を設置し湿度を適切にコントロールする工夫を施し、さらには建築基準法の1.5倍の優れた耐震性を持つ点などが評価された。

 また、大賞のほかにも特別優秀賞82件、優秀賞157件、特別優秀企業賞64件、優秀企業賞59件、審査委員賞3件が選ばれた。その中には、惜しくも大賞の受賞は逃したものの、3つの住宅シリーズで特別優秀賞2点と優秀賞のトリプル受賞を果たした株式会社アキュラホームのような企業もある。省エネ・高気密・高断熱住宅の普及やZEH促進への取り組みが高く評価された。同社では地球環境に配慮した取り組みを積極的に行っており、太陽光発電と電気自動車の連携による全館空調費、光熱費、燃料費のランニングコストを0円にする住宅など、非常にユニークだ。また、工夫を重ねることで、高性能ながら価格を抑えた住宅を提供することで消費者ニーズにも応えようとしている点でも評価が高い。

 快適な家に住んでいると、それだけで安心感を得られるものだ。今回の新型コロナウイルス禍での外出自粛を教訓に、これから先、住宅購入を検討している人にはぜひ、間取り以外の快適さも考えてみるようにしていただきたい。(編集担当:藤原伊織)

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