競争激化のM&A仲介業界でストライクが好収益を継続する理由

2020年4月15日 07:34

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 財経新聞の読者の多さを改めて実感した。『「ただほど高いものはない」、とは限らない 「成果報酬型」M&A仲介の存在』と題する拙稿を3月19日の企業産業欄に投稿した。それを読んだという知人の子息から「父が悩んでいる。自分は親父の商売を継ぐつもりはない。だがその結晶は評価している。せめての恩返しに、継続してくれる買い手を探したい。それには過去の実績やらが調べられる、株を公開しているM&Aの仲介会社を教えて欲しい」という連絡を貰った。

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 「親父さんに水臭いじゃないか、自分で連絡してくればいいじゃないかと伝えてくれ」と返したが、シャイな知人の顔を思い浮かべ「よし、探してみよう」という気になった。浮上したのが、ストライク(東証1部)。「中小企業の継承案件主体のM&A仲介会社」(会社四季報:特色欄)が入り口だった。

 時代を反映し、収益動向は絶好調。前8月期の「35.6%増収、39.5%営業増益、45.9%最終増益、5.5円増配14.5円配」に続き今期も「23.6%増収(62億7500万円)、18.6%営業増益(22億3700万円)、24.2%最終増益(16億6700万円)、3円増配17.5円配」計画で立ち上がり、9-2月期は前年同期を「60%、104.9%、134.4%」上回って通過。前8月期で見ると「新規受注件数289件、成約案件数104組」。

 だがこの限りでは他のM&Aを仲介する上場企業の中に、他にも惹かれる存在があった。が、あえてストライクを今回俎上に載せた(知人の息子に“連絡してみたら”と伝えた)要因は、絞り込むと以下の3点。

★ビジネスの拡大に見せる継続した積極姿勢: 2018年の全国5カ所に続き19年は17カ所でセミナー・説明会を展開。ある意味でM&Aを望む(売り手/買い手)企業の情報を握る税理士との業務提携関係にも、積極性は見て取れる。14年3月の東京地方税理士協同組合にはじまり、前期の東北地方税理士協同組合・滋賀県税理士協同組合との提携を含め1都2府1道25県の協同組合と提携を結んでいる。例えば滋賀県税理士協同組合は「組合員360名/賛助組合員90名」で構成されている。

★15年7月に「M&A Online」を開設。自社の取り扱い案件候補やM&Aに関する知見を提供してきたが昨年7月には、他社の売り買い案件情報を含めて配信する「M&A Online Market」に止揚。買収希望企業の会社広告も掲載可。

★プレマーケティングサービス: 3月から開始。買収を希望する企業が「業種」「従業員数」「売上高」「地域」などの情報を伝えれば、ストライクがデータを基に対象となりうる企業を検索し譲渡ニーズを調べマッチング「可能か否か」を確認したうえで仲介に当たる。

 ちなみにストライクには、投資妙味も覚える。調整場面にコロナウイルス禍の影響が加わり3月23日2358円まで水準を下げたが、出直り基調に転じている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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