たくさん本を読んでいる子供ほど、大人になって「成功」するわけ

2020年3月30日 17:13

印刷

 アメリカの心理学者が行った研究によると、健康的で収入が高く、いわゆる「成功している人」には、子供時代に共通したある特徴があると言う。それは、小さいころから自分の感情をコントロールすることが出来たということ。そして、彼らのほとんどが「読書」が大好きだったと言う。

【こちらも】“よみきかせ”の頻度と質が、将来の学力差につながるかもしれない

 自分の感情をコントロールするというのは、状況に合わせた感情表現が出来るということだ。つまり、我慢する力、自分の欲を制御する力、怒りや哀しみをむやみに爆発させない力があるということである。しかし、その力を大人になって身につけようとしても、簡単なことではない。

■読書とは仮想体験

 だが、読書が好きな子供は、読書を通して色々な経験をしている。良い人間だと思っていた人が実は悪者だったり、一見簡単そうに見える物事の裏には、多くの人の汗と涙の結晶があったり。苦労して、挫折して、あきらめて、でも頑張って。その先に想像もしなかった喜びや成功が待っている。

 本の中には、現実には出来ない挑戦や冒険が沢山詰まっているのだ。それをわくわくしながら読み進めることは、たとえ仮想であったとしても貴重な体験となる。人生とは、失敗と成功の積み重ねだが、本であらかじめ他人の失敗や成功体験を重ねることで、沢山の経験を得ることが出来る。

■成功者に読書好きが多いワケ

 また、本を通して人間の隠された感情を知ることは、情緒面での成長を促す。主人公の悩みは自分の悩みとなり、苦しみ、哀しみ、そして喜びを共有することになる。その経験が、現実世界でも我慢する力や自分の欲を制御する力となり、感情のコントロールが容易になる。

 大人になって成功しようと思うと、それまでの経験がものを言う。薄っぺらい経験しかない人よりは、たとえ本の世界であっても沢山の体験を積み重ねてきた方が、人としての厚みが出る。成功者に読書好きの人が多いのは、世界の常識でもある。

■どんな本を読めばいいのか

 偉人の伝記などは、確かに苦労話や成功体験が満載ではあるが、硬い文体と挿絵が子供の興味を削ぐ場合が多い。まずは、わくわくするような冒険小説や、面白い歴史小説などはどうだろう。小説に興味がないようなら、マンガでも素晴らしい体験が出来るものが沢山ある。

 一度、自分にとって最高の本に巡り合えば、読書がどんどん好きになる。色々な本の世界を経験することは、無駄な回り道を回避し、前向きな人生を歩むきっかけになるだろう。

関連記事